加茂神社為星寺 木造千手観音立像

9月中旬~10月下旬にかけて、福井県小浜市で「平成24年度 秋の文化財特別公開」が実施され、小浜市内および、おおい町地域の寺院、施設が管理する貴重な文化財を拝観することができる。

公開場所は小浜市12カ所、おおい町1カ所の計13カ所。公開日、公開時間は寺院によって異なる。また、各寺院が定める拝観料が必要となる。

福井県小浜市の歴史は古く、大和朝廷の時代からの港町だ。江戸時代には鯖など海産物の水揚げ基地としても知られ、鯖街道の起点となった。そのため、古い寺院や奈良時代、平安時代の仏像も多く残る文化財の宝庫でもある。

加茂神社為星寺では平安時代前期に作られた重要文化財、「木造 千手観音立像」が9月15日~17日、33年に一度の公開。また、若狭おばま観光協会主催の文化財めぐりバスツアーでも特別に公開する。

瑞傳寺の「木造 地蔵菩薩坐像」は鎌倉時代前期の作で福井県指定文化財。高成寺の「木造 千手観音立像」は等身大の仏像で、平安時代前期の作。新指定重要文化財だ。

正法寺は鎌倉時代後期の作で福井県指定文化財、「銅造 如意輪観音半跏像」が公開。栖雲寺の福井県指定文化財、「木造 阿弥陀如来坐像」は平安時代後期のもの。

小浜藩主、酒井家の墓所がある空印寺では「八百比丘尼像、人魚の図」が公開される。おおい町地域の意足寺からは平安時代後期の作、「木造 千手観音立像」。この仏像はかつて台風の被害で土砂に埋まり、拾い集められて復元されたという逸話がある。

飯盛寺の「木造 薬師如来坐像」は鎌倉時代後期の作で、像の中から経巻や中国宋王朝時代の貨幣などが発見されたという貴重な仏像。竜前区薬師堂の重要文化財、「銅造 薬師如来立像」は鎌倉時代前期の仏像だ。

若狭歴史民俗資料館の「木造 聖観音立像」は平安時代前期の作、「木造 十一面観音菩薩立像」は鎌倉時代前期の仏像で、ともに福井県重要文化財に指定されている。

正林庵の奈良時代後期に作られた重要文化財、「銅造 如意輪観音半跏像」は文化財めぐりバスツアー限定で公開。これは若狭地方で最古となる仏像で、過去4回も盗難に遭いつつも無事に戻ってきたと言われる仏像だ。

そのほか、極楽寺の「木造 阿弥陀如来坐像」(鎌倉時代前期の作で福井県指定文化財)、誓願寺の「木造 聖観音立像」(福井県指定重要文化財で平安時代後期の作)が文化財めぐりバスツアーのみの公開となる。

文化財めぐりバスツアーは9月15日から10月14日の土日祝日に実施される。詳細は福井県ブランド営業課HPまで。