本稿では前後編の2回にわたり、ソニーから登場したAndroidタブレットの新モデル「Xperia Tablet S」の実力をチェックしている。前編は、端末仕様や従来モデルとのパフォーマンス比較など「ハード面」について解説した。後編では、搭載アプリケーションなど「ソフト面」を見ていきたい。
ソニーの最新Androidタブレット「Xperia Tablet S」。従来モデルと同じく9.4型(1,280×800ドット)液晶を搭載しながら、薄型軽量化を実現。プロセッサはTegra 3搭載している。仕様やデザインについては、本稿の前編)を確認いただきたい |
【レビュー】ソニーの最注目タブレット「Xperia Tablet S」を試す
・前編 - 端末仕様・デザインをチェック!! ・後編 - 搭載アプリ・機器連携の使い勝手は?
独自アプリで豊富な機能を実現
Xperia Tablet Sの魅力は、ハード面や豊富なアクセサリーだけではない。搭載されている独自アプリの豊富さも見逃せないポイントとなっている。従来モデルでも、独自アプリの豊富さがウリになっていたものの、Xperia Tablet Sではさらに磨きがかかっているのだ。
まず、最も注目したいのが、音楽や動画、写真、ゲームを楽しめる、エンターテインメント関連のアプリ群だ。まず、従来モデルでも搭載されていた、ソニーの映像配信サービス「Video Unlimited」に加え、日本でも7月よりサービスが開始された、月額定額制の音楽配信サービス「Music Unlimited」に対応するアプリを標準搭載。写真関連としては、クラウドで写真の共有が可能な「PlayMemolies Online」にも対応しており、各種オンラインサービスがすぐに活用できる。また、ソニー・コンピュータエンターテインメントが提供する、プレイステーションなどのゲームを楽しめる「PlayStation Mobile」にも対応し、今年秋に開始予定の「PlayStation Store」で配信される各種ゲームも楽しめるようになる。
AV関連のアプリとしては、新たに「WALKMAN」アプリ、「アルバム」アプリ、「ムービー」アプリを標準搭載。WALKMANアプリは、Xperiaスマートフォンに搭載されているものと同じインターフェイスで利用できる音楽再生アプリで、内蔵やSDカードに保存した楽曲はもちろん、ホームネットワーク上のPCやDLNAサーバーに保存した楽曲などを一元的に再生できる。また、SNSとの連携機能も用意され、例えばFacebookの友人が聴いている楽曲情報などを表示する機能も用意されている。
ホーム画面。下部にソニー独自のエンターテインメント系アプリのアイコンが並んでいる |
新たに搭載された、音楽再生アプリ「WALKMAN」アプリ。Xperiaスマートフォンにも搭載されているが、そちらと同等のインターフェイスを採用し、ユーザーなら戸惑わず扱える |
アルバムアプリも、Xperiaスマートフォンに搭載されているものと同様で、大量の写真も高速に閲覧できるフォトビューアーだ。ピンチでのサムネイルの拡大縮小も非常に高速で、使っていて非常に気持ちがいい。また、日付での写真の分類はもちろん、ジオタグを利用して地図上で写真の管理もできる。もちろん、LAN上のDLNAサーバーや写真共有サービスとの連携も可能。
多数の写真を高速に閲覧・管理できる「アルバム」アプリ。とにかく高速に動作し、写真の閲覧が非常に快適だ |
写真のジオタグ情報を利用し、地図上で写真を管理することもできる。旅行の写真など、どこで撮影したのかがよくわかり便利だ |
ムービーアプリは、DLNAおよびDTCP-IP対応の動画再生アプリだ。通常の動画ファイルの再生はもちろん、DLNAサーバーに接続して直接ネットワーク経由で動画再生が可能。また、DTCP-IP対応で、ソニー製のBDレコーダーなどで録画した番組の視聴も可能。そして、8月末に発売された、ソニー・コンピュータエンターテインメントの「nasne」と連携し、nasneで録画した番組を視聴したり、nasne経由で今放送されている番組を視聴することも可能。実際に、nasneで録画した番組や放送中の番組を視聴してみたが、再生されるまで数秒のタイムラグはあるものの、無線LAN経由でも十分なクオリティで視聴可能だった。加えて、nasneで録画した番組をXperia Tablet Sに転送して視聴する「おでかけ転送」にも対応している。
これは、Xperia Tablet S単体で実現できる機能ではなく、別途対応機器の用意が不可欠だ。そういった意味は若干敷居の高い機能とも言えるが、逆に、対応機器を持っている人にとっては、かなりの魅力があるはずだ。ちなみに、ソニー製のAV製品間での連携が最も優れるが、ムービーアプリはDLNAおよびDTCP-IP対応アプリであり、メーカーの垣根を越えた連携も可能。サポート外ではあるが、DLNA/DTCP-IP対応のAV機器とであれば、他社の製品でも柔軟に連携できる点も押さえておきたい。