俳優の大沢たかおが2日、東京・渋谷のNHK放送センターで行われた時代劇『火怨・北の英雄 アテルイ伝』の制作発表会に出席した。

時代劇『火怨・北の英雄 アテルイ伝』の制作発表会に出席した大沢たかお 拡大画像を見る

『火怨・北の英雄 アテルイ伝』は、西暦800年頃に実在した東北の英雄・阿弖流為(以下、アテルイ)の生涯を描く歴史冒険ドラマ。独自の文化を持ち自然と共に暮らしていた蝦夷(えみし)と呼ばれる人々は、朝廷の侵略によって平和が脅かされる。故郷の地を守るために立ち上がったアテルイは、仲間たちと共に何度も朝廷軍に立ち向かっていくが、ついに朝廷軍の最高司令官である坂上田村麻呂との決戦を迎える――というストーリーで、BSプレミアムで2013年1月に全4回、再編集編が総合テレビで同年3月に全2回で放送予定。

英雄・アテルイを演じる主演の大沢は「東北の人たちが見て、『よくやった!』と思ってくれるような作品にしたい。よりたくさんの人に見て欲しい」とアピール。大沢の起用理由を「命あるものに優しく、強敵にも果敢に立ち向かう強さを持った人は大沢たかおしかいない」と語った、真鍋斎プロデューサーは「震災後、ドラマ制作者として東北にどう向き合うかを考えていた時にアテルイという人物を知った。誇りを守るため、命をかけて果敢に戦った人物を取り上げることで、東北が持つ力強さを感じてもらえれば。アクションや友情、愛もあるエンタテインメント作品なので、楽しんで観てほしい」とPRした。

東北復興支援の一環として制作される同ドラマに、大沢は「演者として震災に対して何ができるかを考えていました。一昨年にドラマが終わって、もうしばらくはドラマはいいかなと思ってたけど、この話をいただいて武者震いしました。人間として色んなものを込めてぶつかっていけると感じたんです。今はとても集中していて気合が入ってます」と心境を。大沢は18歳から40歳半ばまでのアテルイの生涯を演じるが「力強く演じたいと思ってます。土地に根付いた人間を丁寧に演じられれば。エネルギッシュで生命力のあるアテルイにしたい」と話し、「ドラマだけど、リアリティのあるドキュメンタリーのような作品だと思ってる。東北は日本の本来の姿がまだ残っていると感じてるので、その点も表現したい」と意欲を語った。