7月にカラーバリエーションモデル「TH-5BB」「TH-7BB」「TH-7W」がリリースされた、フォステクスのヘッドホン「TH-5」「TH-7」シリーズ。希望小売価格ベースでTH-5が6,825円、TH-7が8,925円と、どちらも比較的手頃なヘッドホンなので、ちょっとレビューを行ってみたい。

左が「TH-7BB」で右が「TH-5BB」。ヘッドバンド部の樹脂パーツの色以外に、外見の差はないようだ。ハウジングの外側とヘッドパッドに「FOSTEX」のロゴがあしらわれている

というわけで、お借りしたのは新色の「TH-5BB」と「TH-7BB」。いずれも、表面にマット処理をしたブラックバージョンだ。左側のヘッドバンド部分に、TH-5BBではモスグリーン、TH-7BBではグレーのパーツが使用されている以外は、2モデルに外見上の差はない。高級感があるデザインでは決してないが、使うシーンを選ばない無難なスタイルだとはいえるだろう。

ハウジング部分。いわゆる"耳乗せ"タイプのヘッドホンだ

コードは両出しタイプの1.2m。コードは平行タイプで、太さは約3mmといったところだ。プラグは3.5mmステレオミニで、製品には、1.5mの標準プラグ変換コードが付属する

2モデルいずれも、約φ90mmという比較的大きなサイズのハウジングを採用しているが、オーバーヘッドタイプでありながらイヤーカップが耳全体を覆わない、いわゆる"耳乗せ"タイプのヘッドホンだ。使用されているドライバーは、TH-7が40mm径で、TH-5が30mm径だ。再生周波数帯域はどちらも20Hz~20kHzで、感度はTH-7が98dB/mW、TH-5が96dB/mW、インピーダンスはTH-7が70Ωで、TH-5が44Ωとなっている。最大入力はどちらも100mWだ。

ハウジングのサイズは比較的大きい。左側が「TH-7」で、右側が比較のために置いた「MDR-MA100」

イヤーパッド部分。クッションには低反発素材が使用されているようだ

イヤーパッドとヘッドパッドの表面には、合皮が使用されている。ヘッドパッド部分は一般的なクッション材を使用しているようだが、イヤーパッドには低反発素材が使用されているようだ。そのせいもあってか、側圧はそれなりに感じるが、長時間聴いてもあまり耳に負担はかからない。

2モデルは、セミオープン型という方式を採用している。セミオープン型は、低域の再生能力が高い密閉型と、音にヌケの良さと広がりがあるオープン型の中間的な特徴を持っており、「AKG」のヘッドホンなどでも採用されている方式だ。

試聴は、スマートフォンに保存した320kbpsのMP3ファイルで行った。とくにヘッドホンアンプなどは使用していない。試聴したのは、Soundscape UKとかShakaakといった80年代の英国フュージョン系を中心とした音楽だ。それとは別に、テレビ放送のニュース音声も聴いてみた。

音楽ファイルを聴いてみると、2本の音の傾向は明らかに違う。ドライバー径の小さいTH-5のほうが、TH-7よりも低域の厚みが感じられる。いずれも、以前レビューを行ったソニーのオープンエアー型ヘッドホン「MDR-MA100」よりも、低域の量は出ている。一方、中高域の表現に関しては、TH-7のほうが上だ。ボーカルなどはTH-5よりも明らかに前に出てくる。これは音楽だけでなく、ニュース音声の方でも大きな差が表れる。明らかにTH-7のほうが聴きやすいのだ。また、ライブ版の音源を聴いた場合でも、臨場感はTH-7のほうがより強く感じられた。

フォステクスでは、この2モデルをリーズナブルなモニターヘッドホンとしている。音の定位や解像度に関しては、本格的な密閉型モニターヘッドホンに比べるべると、やはり弱い部分が感じられるが、広がりや帯域の広さも感じられ、音楽リスニングにも適した性格となっているようだ。

TH-7の引き締まった低域と聴きやすい中高域は、比較的オールマイティにどのような音楽も鳴らしてくれるが、今回試聴に利用したようなジャンルには特に向いているのではと筆者なりに感じた。

一方のTH-5は、TH-7とは明らかに性格の違うヘッドホンだ。このところ各社より、低域再生能力を重視した重低音ヘッドホンがリリースされている。TH-5は、完全な重低音モデルというわけではないが、それに近い性格を持っていると感じられた。「低域が欲しいけれど、密閉型のようにこもる音はちょっと……」という人には面白いチョイスかもしれない。いずれにせよ、この2本は、単純に上位モデル/下位モデルという関係性ではなく聴く音楽によって、選ぶヘッドホンだといえるだろう。

最後に、音漏れについて述べよう。セミオープン型という構造により、完全に耳を覆うタイプの密閉型に比べると、音漏れが発生しやすいのは確かだ。しかし、筆者の感覚では、耳乗せ型の密閉型ヘッドホンと、ほぼ同等のレベルでしかない。極端に大きなボリュームで聴くというのでない限り、移動時の使用も許容範囲だといえる。

ハウジング中央部にある四角の部分の周囲がスリットになっているのだが、ここからの音漏れは、ほとんど気にならないレベルだ

なお、フォステクスでは今回レビューしたTH-7BBとTH-5BBと同じく、7月にホワイトカラーの「TH-7W」もリリース。既存モデルのTH-5B」「TH-5W」「TH-7B」と合わせて、2製品で6カラーバリエーションがラインナップされている。

「TH-7」「TH-5」の2シリーズで全6色がラインナップされる

「みみもと」を50名の読者にプレゼント

今回、マイナビニュースの読者50名に、フォステクスのインナーイヤーヘッドホン「みみもと」をプレゼント。応募の詳細は下記を参照のこと。

「みみもと」

主な仕様
形式:ダイナミック型、 再生周波数帯域:20~20kHz、 インピーダンス:17Ω、 感度:110dB/mW、 最大入力:20mW、 ケーブル長:1.25m(U型タイプ)、 プラグ:φ3.5mmステレオミニ、 付属品:イヤーチップ(S、L) ※Mは本体に装着済
  • 賞品:みみもと
  • 当選数:50個

応募方法

ご応募はTwitterで受け付けております。日本在住で、以下の「個人情報取扱いについて」に同意いただる方が対象です。個人情報の取扱いに同意いただけない場合はプレゼント抽選の対象となりません。同意いただいた方は、マイナビニュース(パソコン/携帯/家電)のアカウントをフォローした上で、以下のボタンを押してリンク先の文章をつぶやいてください。

応募期間

2012年9月1日から9月14日24時まで

当選者への連絡

当選者には応募締め切り後、Twitterのダイレクトメッセージにてご連絡を差し上げます。ダイレクトメッセージ送信後24時間以内にご連絡のない場合は無効とさせていただきます。

【個人情報取扱いについて】

マイナビでは個人情報保護マネジメントシステムを構築し、正しい個人情報の取扱および安全管理につきましてできるだけの体制を整え、日々改善に努めています。当社が運営するマイナビニュースにおいて、読者の皆様からお預かりする個人情報は、プレゼントの発送などに利用いたします。

【開示等、個人情報の取り扱いについてのお問い合わせ】

株式会社 マイナビ メディアコミュニケーション事業本部 マイナビニュース編集部 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1パレスサイドビル mj-reader@mynavi.jp

【個人情報保護管理者】

株式会社 マイナビ 管理本部長 personal_data@mynavi.jp