トレンドマイクロは30日、同社セキュリティ製品の機能を刷新した新製品として、スマートフォン向け「ウイルスバスター モバイル for Android」およびWindows / Mac向け「ウイルスバスタークラウド」を発表した。9月7日より店頭、オンラインショップなどで販売を開始する。同日、都内では記者説明会が行われ、製品の概要紹介やデモンストレーションが行われた。

9月7日にリリースされる「ウイルスバスター クラウド」および「ウイルスバスター モバイル for Android」

新版のウイルスバスター モバイル for Androidにはスマートフォンアプリのプライバシーリスクを管理できる「プライバシースキャン」機能が追加された。これによりアプリインストール時のリアルタイムスキャンおよびインストール済みアプリのプライバシーリスクのチェックが可能になる。そのほか、不正アプリ対策やWeb脅威対策、迷惑着信/SMS対策、盗難/紛失時の対策なども従来通り利用できる。価格は1年版が2,980円、2年版が5,480円。現在ライセンス契約中のユーザーは、9月7日より新版へのバージョンアップが可能になる。対応OSはAndroid 2.2以降。

発表会に登壇した同社取締役副社長の大三川彰彦氏からは、商品の概要説明があった。トレンドマイクロは現在、"セキュリティソフトを提供する会社"から、"ユーザーから複雑・面倒・不便・不安を取り除く会社"へと変革しつつあるという。その言葉を裏付けるように、今回発表された新版のウイルスバスター製品にはSNSにおけるユーザーのプライバシーを守る機能/PCソフトの使用権限をユーザーごとに設定できる機能(以上PC版)や、アプリのプライバシーリスクをひと目で分かるようにした機能(モバイル版)などが追加されており、ウイルス対策だけにとどまらない印象だ。同社では今後も、ユーザーがより簡単に安全なデジタルライフを楽しめるよう、総合的な支援サービスに力を入れていくという。

登壇し商品の概要説明を行う同社取締役副社長の大三川彰彦氏(写真左)。トレンドマイクロはユーザーに簡単と安全を提供する会社へ変革する

とあるグローバルの統計では、Android端末は累計で4億台が出荷され、Androidアプリは60万種を数え、トータルで200億本のダウンロードが行われた計算になるという。しかしその一方で、ユーザー個人がアプリの安全性を判断するのは容易ではない。そこで、新版の製品にはトレンドマイクロが保有するデータベースを基にアプリの評価をしてくれるプライバシースキャン機能が搭載された。これによりユーザーは、対象アプリにどのような危険性があるのかを瞬時に判断可能になる。

ウイルスバスター モバイル for Androidは、今後1年間で450万ユーザーの獲得を目指す

プロダクトマネージャーの塩田行宏氏、石橋達司氏からはデモが披露された。また、一般ユーザー代表として、モデルの山本美月さんが登壇。PC版、モバイル版のウイルスバスターの使い心地をユーザー目線でコメントした。

塩田氏(写真左)は、実際にPCを使いながら山本さんに機能を紹介

山本さんは普段からFacebookを利用しているが、ある機能に不満を感じているという……

塩田氏は、Windows版に新搭載された「Facebook プライバシー設定チェッカー」を紹介した。これは分かりづらいFacebookの設定項目をハイライト表示とポップアップ画面で案内するものだ。山本さんは「友人の友人」など知らない人が表示されるFacebookの機能に抵抗を感じるものの、設定の方法が難しいのでそのままにしてきたという。塩田氏はウイルスバスターの新機能を使えば、誰でも簡単に他人から検索されない設定にできることを紹介した。

ウイルスバスター クラウドの利用画面。「プライバシー設定をチェックする」をクリックすれば、確認が必要な項目が表示される

Facebookの「つながりの設定」管理画面。要チェック項目には「!」マークがついている

石橋氏は、ウイルスバスター モバイル for Androidに搭載されたプライバシースキャンをデモで紹介した。

安全なアプリをインストールした直後の様子。通知領域には「○○(アプリ名)に脅威はありません」と表示されている

危険なアプリをインストールしようとすると、警告や判定レベル、どのような危険が潜んでいるのかが表示される

山本さんはこれまで、スマートフォンアプリのプライバシー管理には無頓着だったという。石橋氏に使用感を問われると、「これなら私にもできそうです」と笑顔で回答した。

ウイルスバスター モバイル for Androidに追加される新機能、プライバシースキャンの説明スライド

(記事提供: AndroWire編集部)