WOWOWとTBSはコラボレーション企画第1弾として、スポーツ史に残る名選手たちの"引き際"にスポットを当てたドキュメンタリー番組『伝説の引退スペシャル』を共同制作し、TBSが日本編(10月8日 21:00~)、WOWOWが世界編(10月13日 20:00~)を放送する。
今回、世界編で取り上げられるのは、グランドスラム最年少優勝記録を持つマイケル・チャン、ブラジル代表として3度のW杯に出場したロベルト・カルロス、M.ジョーダンやM.ジョンソンらと共にNBA界をリードしたフェニックス・サンズのチャールズ・バークレーなどいずれも各界を代表する名プレーヤーたちだ。
中でも、現役引退の場所として2003年の全米オープンを選んだマイケル・チャンは、15歳の時にアマチュアとして出場し、キャリアをスタートした場所ということもあり、彼にとっては思い入れの強い大会となった。以後、同大会に通算17回出場したチャンは「アメリカ人ですし、母国で行われるグランドスラム大会で引退できるのは、とても特別な事だと思います」と語った。
同大会で試合に敗れたチャンを待っていたのは、全米テニス協会が用意した引退式だった。そこで観客に引退を報告したチャンは、その当時を「長年ニューヨークで見続けてくれたたくさんの人に感謝の意を伝えることができました。本当に格別でした」と振り返っていた。引退報告を受け取った観客たちは、温かい拍手で彼のこれまでの偉業をたたえた。
こうした引き際を経たマイケル・チャンは、2011年11月に行われた「東日本大震災復興チャリティー ドリームテニスARIAKE」で来日し、錦織圭選手と夢の対決を実現させた。錦織選手について、「彼が自分自身や自分のプレーに本当に自信を持っているかどうかは分かりませんが、自信がプレーにもっと表れるようになれば、彼はもう一段レベルアップするはずです。圭はランキングの低い選手相手には問題なく勝てます」と語る。当時の自分と重ね合わせるように「大切なのは自分を信じることです。最高の選手に勝てる、しかも大きな試合でも倒せると信じることです」と錦織選手にエールを送った。