前回の記事では、夏休みに値上がり必須の「旬」の金券についてお伝えした。2回目の今回は、ただですらオトクな金券類をさらに賢く活用する術を金券のプロに聞く――。
「トクする金額なんて、たかだが数十円程度でしょ?」と侮るなかれ。食べる、遊ぶ、買う、移動する――金券ショップには、日常のあらゆるシーンをカバーするチケットがズラリと並ぶ。自分の目的に沿った金券を買って使うだけで、暮らしのトータルコストが確実に下がるのだ。これぞ我慢いらずのラクチン節約! ズボラな筆者とは、相性がいい。
例えば、スーパーで買い物をする場合。一般的に還元率が高いとされるクレジットカードを使って買い物をしても、還元率は1%程度。しかし、定価の98%程度(現在は98~98.5くらいを推移 ラッキーコレクション)で購入した商品券(スーパーで利用可能なJCBギフトカードなど)を使えば、2%の割引になる。月2万円分の買い物を商品券でまかなったとすると、年間にして4800円もの金額が浮く。
「給料日の前後には、まとめ買いをする方たちの姿も。毎月、予算を決めて金券を買い、その範囲でやりくりをするなど、家計管理に役立てる方もいらっしゃいます」とは、前回に引き続き、ラッキーコレクションの五十畑さん。金券を知り尽くしたプロに"賢く使うコツ"を伝授してもらった。
金券の"合わせ技"で割引率をアップ!
単体で使ったって当然おトク。しかし、金券同士を組み合わせることで、さらに節約効果がパワーアップするケースもある。王道は、商品券+株主優待券の組み合わせだ。
たとえば、デパートで買い物をする場合は、「全国百貨店共通商品券」+「目的のデパートの株主優待券」(デパートの商品が10%オフになる)を購入する。定価の98%で買った全国百貨店共通商品券と株主優待券を一緒に使えば、合計12%の割引になる。3万円分の買い物をした場合、仮に株主優待券の購入代が100~300円程度としても、約3500円も浮くのだから、ちょっとしたセール気分だ。
また、ファミレスやファーストフードを始め、多くの店舗で利用できる「ジェフグルメカード」と株主優待券を組み合わせて使えば、飲食費の節約になる。また、「割引券と金券の両方を出しているホテルや飲食チェーン店もある」(五十畑さん)とも。
しかし、組み合わせ可能な金券を判別するのは至難の技だ。いったいどうすれば?
「店のスタッフに、行きたい場所ややりたいことなど、目的をざっくりと告げて"組み合わせてオトクになる金券"をたずねてみることです。例えば、花を買うにしても、花屋で利用できる『花とみどりの商品券』と株主優待券を併用できる店もあるし、ホテルの平日15%割引券とJCBの商品券を組み合わせて使う方法も。レジャーの行き先を告げて、その周辺で使える割引券を見立ててもらう手もありますよ」(五十畑さん)
ゆっくり相談しながら買いたいなら、比較的店の空いている午後の時間が狙いめだ。
店の「目玉商品」をチェックする
店頭など目立つ場所に、割引率の高い金券が「目玉商品」として、並べられていることがある。スーパーでいうなら「見切り品」といったところ。
「期限の迫ったものや、たくさん在庫を抱えているものなどを破格で出しているケースがあります。制限があるものの、都合のあう人にとってはかなりお得になるのでは?」(五十畑さん)
ちなみに先日、筆者がみつけたのは、東武動物公園の入園券。正規料金は1500円だが、なんと300円でゲット! 期日が2週間程度だったことや梅雨の時期が影響していたのだろうか。ともあれ、家族分3枚を購入し、合計3600円のお金を浮かすことができた。
目玉商品狙いで店をはしごし、お宝探しに興じるのも楽しそうだ。
しかし、安いものにはワケがある。飛びつく前に内容をしっかり確認することが大切だ。とりわけ、株主優待券が安くなっている場合は、店のスタッフに理由を聞いたほうがいいと五十畑さんは言う。
「近年、業績の悪化で優待内容が変わってしまうケースが多々あります。以前は使えた店で優待券が利用できなくなっていたり、1回に利用できる金額が下がっていることも。買ってみたものの、自分の希望する使い方ができないのではムダになってしまいますから」 また、値崩れを起こした金券をまとめ買いする人も――。
「そのひとつがテレホンカードです。これまで400円くらいで販売されていましたが、現在300円前後にまで落ちています」と五十畑さん。携帯電話の普及に伴い、公衆電話がめっきり姿を消し、すっかり需要がなくなってしまった。すでに過去の産物になりつつあるテレカだが、使い道によっては強力な節約アイテムに変わる。
「テレホンカードは、NTTの通話料支払いに使えます(窓口のみ)。1枚に付き50円の手数料がかかりますが、まとめて使えば通信費の節約になります。その他、入院されている方へのプレゼントとして買われる方もいらっしゃいますね」
金券ショップの激戦地をまわってみる
金券ショップがひしめく競合エリアは、価格競争にさらされている分、値段が安くなる傾向がある。また、購入・売却ともに店によって価格にばらつきがあるので、できれば数店まわって見比べておきたい。
「高めの買い取りを謳っていても、値段や枚数に上限がある店も。売却の場合は、"何枚(いくら分)持っているのですが、いくらで買い取ってもらえますか?"と確認すると効率的ですね」
確実に欲しい金券がある時には、目的の場所に近い金券ショップを覗いてみるといい。
「例えばジョイポリスの割引券は、神田よりも新橋のほうが流通しています。ゆりかもめ線が通っているため、フジテレビの球体展望上のチケットなども、新橋のほうが多いですね」
ひたすらお宝品を狙うも良し、自分の導線を考えた上で、やりくりに活用するもよし――。賢く使えば、家計を助ける強い味方になるはずだ。
お話を伺ったお店 : ラッキーコレクション
東京・神田と新橋に店舗を構える金券ショップ。スタッフは皆、女子社員なので明るく質問しやすい雰囲気。外貨両替は、ドル・ユーロ、豪ドル、ウォン、元など12通貨。「スタッフは皆、金券のプロ。分からないことはなんでも聞いてください」(五十畑さん)
http://www.ticket-buy.com/