ストックフォトサービスに撮影した画像を出品し、その販売収入だけで生活しているクリエイターたちも少なくない。iStockphotoで実際に活躍するフォトグラファーのひとりに話を訊いた。

今回話を訊いたイギリスのSimon Moran氏は、2001年からiStockphotoの参加しているという。

Simon Moran氏はフォトグラファーとして活動するだけでなく、iStockphotoの写真審査も担当している

「元々、私はWebデザイナーでWebサイトのデザインに使用する画像を探すためにiStockphotoを利用していました。それが、いつのまにか自分でも出品するようになっていました。子供の頃から写真が好きで、よく撮影していたのですが、現在のように写真だけで生活するなんて、当時は想像もできなかったですね」(Simon Moran氏 以下同)

実際にiStockphotoで得た販売収入などの具体的な金額は明かせないと前置きしつつ、Moran氏は自身の現状を語ってくれた。

「具体的な金額はNGなのですが、もう私はWebデザインの仕事は全くしていません。ストックフォトを始めて、それが軌道に乗ってからは、Webデザイナーとして普通に働いていた頃とは比較にならないほどの収入を得ています」

Moran氏はその実績から、iStockphotoのExclusive Artistとなり、現在は審査チームのリーダーも勤めているという。Moran氏はistockphotoなどのストックフォトサイトでの収入だけで生活しているフォトグラファーはかなりの数存在していると語る。

「個人情報なので、具体的な人数や金額は明かせないのですが、どれだけ売れているのか、そのイメージをみなさんが掴む方法はあります。iStockphotoのサイトで売れている人の画像のダウンロード数を見てみればいいのです。それで、大体の収入金額をイメージできるはずです」

最後にMoran氏は、ストックフォトサービスへの参加を躊躇しているフォトグラファーに向けてこう語った。

「もちろん、参加したすべての人がストックフォトサービスだけで生活できるわけではないのですが、ひとつだけ言えることがあります。ストックフォトで販売を開始して、それだけを仕事にしたとしたというクリエイターは沢山いますが、ストックフォトサービスを辞めたというクリエイターは私の周囲にはひとりもいません(笑)」

撮影:糠野伸