織田裕二、深津絵里、柳葉敏郎ほか、映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(9月7日公開)の主要キャスト計19人が23日、東京国際フォーラムで行われた完成披露試写会に出席した。

映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』の完成披露試写会に出席したキャスト&スタッフたち

1997年のドラマからはじまった『踊る大捜査線』シリーズも、本作で見納めとなる。そのフィナーレを飾るべく、上映前の舞台挨拶には主演の織田裕二はじめ、柳葉敏郎、深津絵里、ユースケ・サンタマリア、伊藤淳史、内田有紀、小泉孝太郎、小栗旬、北村総一朗、小野武彦、斉藤暁、佐戸井けん太らが登壇。さらに上映後には甲本雅裕、川野直輝、滝藤賢一、還山俊也、真矢みき、筧利夫、水野美紀の7人も駆けつけ、豪華な完成披露試写会となった。

早く見たい。でも、これが最後。場内は期待と寂しさが共鳴し合うような異様な雰囲気だったが、シリーズでお馴染みのテーマソングが流れはじめると空気は一変。自然と手拍子が生まれはじめ場内は一気に期待一色に様変わりした。そして、97年からの「踊るシリーズ」のダイジェスト映像が上映後、暗転のままオープニングテーマが流れ始めると、舞台の緞帳が上がり、黒の紗幕に14名の人影が浮かび上がった。会場からは早くも大きな歓声が飛び始める。

そして、紗幕が落ち、16人のキャストと本広克行監督、君塚良一らが現れるとテンションはさらにヒートアップ。声援に答えながらマイクをとった織田は「お久しぶりです。前都知事と同じ名前の青島です」と挨拶し、観客の気持ちをさらに盛り上げる。さらに大きな声援を浴びた織田は思わず「こんな試写は初めてです(笑)」と驚きながら、「これが最後だと思うとちょっと寂しいんですけども、せっかくなので男らしく盛大に花火を打ち上げたい気分でいっぱいです」と心境を述べた。

織田はしばらくお辞儀をしたまま、観客からの声援を受け続けた

出演前から同シリーズのファンだったという内田有紀は、自宅にDVDも揃っていて撮影前、そして撮影中も見返しながらファンの目線で現場に臨んでいた。その話を聞いた織田は「最初から全部見ました。若い頃の自分ですか(笑)? 変わったよなぁ~と思いつつ、変わってないような気もしゅるし…」と大事な部分で噛んでしまい会場から笑いが起こると「今日、滑舌悪いです(笑)。励まさないでください」と照れ笑い。そして、各出演者コメントの後、いよいよ最後の『踊る大捜査線』が上映スタートした。

上映後、万感の拍手の中で再登壇した織田は「最高です」と一言。司会者から「この15年を振り返ってどうですか?」と聞かれると、織田は「え~っと…」とこみ上げる涙を抑えながら「15年、15年、15年…なんか短いような長いような。実際はいろんなことがあって、嬉しいこと、ちょっと悲しいこと。でも、今はただ本当に感謝です。スタッフ、キャスト。こんなに幸せを感じられる現場というのはなかなかないですし、その作品に対してこうしてみなさんが応えてくださって。もう、本当にこれ以上ないくらい幸せです」と気持ちを絞り出すように一言一言、言葉を選びながら思いを語った。

司会者から「やっぱり最後という感じがしますね」と振られた柳葉は「う~ん、どうでしょう」と長嶋茂雄のモノマネを披露。続けて、「改めて思いました。これがみなさんが支えてくれた踊る大捜査線です…なんてな」といかりや長介が演じた和久平八郎の口癖で会場を沸かせた。また、15年間織田と共にヒロインとして作品を支えてきた深津は、本作で2人の関係が深まるシーンに触れ「本当に照れくさいですね。踊る大捜査線の撮影をしているとは思えなくて、見ている皆さんもどんな反応をしていいか戸惑っていたように感じました。ちょっと、恥ずかしいですよね(笑)」と言うと、織田は言葉に困りこちらも少々照れ気味の様子。

警視庁刑事部捜査一課鳥飼誠一を演じた小栗は「欲を言えば、僕も湾岸署で働きたかったです(笑)」と正直な気持ちを吐露。その言葉に対し柳葉は「鳥飼の気持ちは俺がいちばんわかっています。あとでじっくりと傷を舐め合いたいと思います」と、所轄のノンキャリアである青島と対照的な立場のキャリア組を演じ続けた彼ならではの思いを語った。そして、会場には筧利夫、真矢みきが駆けつけたほか、『交渉人真下正義』以来、約7年ぶりの出演となった水野美紀も登場。水野は「久しぶりに現場に行ったらユースケさんが相変わらず適当なアドリブを言っていて、これに合わせて会話してくださいと言われて大変でした(笑)」と撮影を振り返ると、「7年ぶりですか? 私そんなに…すみませんでした! ただいま~!」と観客の声援に応えた。

すべての共演者がコメントを終えると、「踊る大捜査線最後の完成披露試写会」もいよいよ終演へ。マイクを持った織田は「やっぱり湿っぽいのは踊るには合わないです。ホントにホントにホントに感謝しています! みなさん、ありがとうございました」と観客に向かって最後のあいさつをし、舞台を降りようとすると客席からは「やめないで~!」「今までありがと~!」の声が。それを受けて織田が「もう、後悔はないっすね。みんなやることやりました」と言うと場内には「もう、いやだ~!」と最終回を惜しむ声がこだました。織田は「これで終わりでいいですか?」と問いかけると、客席からはさらなる声援が飛ぶ。「続けて欲しいという気持ちは分かりました。でも、これで本当におしまいです。はじまりがあれば終わりはあります。でもいつでも見に来てください。これでさよならです…」と言うと場内は割れんばかりの拍手で埋め尽くされた。すると織田は目頭を抑えながら、涙を隠すようにいったん奥に下がった。そして、再び観客の前に立った織田は力強く「ありがとうございました!」。「踊る大捜査線最後の完成披露試写会」は、最高の青島スマイルと共に幕を閉じた。