みずみずしい果実も好きだけど、そのかぐわしい香りをお酒の中にぎゅっと封じ込めてしまうのはもっと好き。だって、アルコールに閉じ込められた甘い果実が、喉を滴り落ちていく瞬間がたまんないんだもん! なんてあなたに贈る、果実酒探しの旅in北陸・甲信越、いざスタート!
果実とお酒の麗しき共演にノックアウト
まず向かったのは、信州生まれのりんごをぜいたくに使ったワインや発酵シードルで有名な、「カフェ&ワイナリー たてしなップル」(長野県北佐久郡立科町)。中部横断自動車道終点から142号(中山道)を立科町方面に直進すると道沿いに見えてくる、大きなりんごのオブジェが目印だ。
入店するや、早くもずらり並んだ数々のみめ麗しいワインボトルに目を奪われる。甘口・辛口の発酵シードルボトルには、「あらごし果肉いり」なんてそそる表示で、取材も忘れて気もそぞろ。ああもう、ともかくその味をわが舌で確かめたい!
指をくわえて眺めていると、お店のおねえさんが「どうぞ」と試飲用りんごジュースを差し出してくれた。たてしなップルでは、千秋(せんしゅう)りんごを使用した100%果汁ジュース、ふじりんご使用の100%果汁ジュースの2種類を用意している。
りんごを代表する品種の「ふじ」、甘味・酸味のバランスが抜群といわれる「千秋」どちらのジュースも、果肉が残った状態でパッキングされている。生のりんごの味わいを楽しめるのが魅力だ。
そして酒類も、上質な素材を堪能できるラインアップ。シードルやワインといった、「りんごといえば」なアルコール商品のみならず、焼酎やブランデーでまでりんごを楽しめるのだ。
たてしなップルのりんご酒を蒸留・カルバドス熟成させた3年もののりんご酎。よそではなかなかお目にかかれないだろう。信州蓼科山(たてしなやま)の湧き水を加水しているというさわやかなブランデーは、夏の夜に夕涼みしながら口の中で転がすのにぴったりだ。
さらに、アップルパイなどのスイーツも各種用意されているので、家族連れでの来店もおすすめ。ドライブ途中に、店内のカフェで一休みするのもいいだろう。
ワイナリー見学も楽しめて一石二鳥
さて、続いて目指すは勝沼IC。こちらのインターから勝沼バイパスを一宮方面へ車で約10分弱直進後、「下岩崎」交差点を右折。一つ目の信号を超えた先に見えてくるのが「蒼龍(そうりゅう)葡萄酒」(山梨県甲州市勝沼町)だ。
こちらの店舗の魅力は、なんといっても試飲コーナーが充実していること。甲州のうまいぶどうをたっぷり使ったワインやジュースが常時20種類以上冷やされていて、自由に飲み比べることができるのだ。また、地下1階にはワインだるやフリージングワインが保管されているので、大きなたるを目の前に気分があがること請けあい。さらに、平日・土曜には隣接のワイナリーを見学させてもらえるのもうれしい(要事前電話予約)。
ワインは酸化防止剤無添加のものが数多く取りそろえられている。甲州ぶどうをふんだんに用いて作られたもののほか、ワイルドベリーのワイン、桃のワインなんて粋なものもそろっているので、女性へのプレゼント選びにも最適だ。
また、勝沼にはこの他にも数多くのワイナリーが存在。蒼龍葡萄酒の道を挟んだ向かいには、メルシャンの歴史博物館などもあるので、こちらを訪れたついでに周辺散策を楽しむのもおすすめである。
さらに、20号線沿いには、JA山梨が運営する「フルーツ直営所」もある。ぜひ丸一日かけて、ゆっくりと山梨の魅力を堪能してほしい。ぶどう、桃などといったこの地の特産品が購入できる他、併設のカフェではフレッシュジュースをいただける。また、ランチや夕飯には、山梨名物ほうとうも味わっておいて損はなし!
この他にも甲信越には酒どころがたくさんある。旅行でこの地を訪れるなら、3泊程度のスケジュールをプランニングして、おいしい地酒をとことん楽しむのがオツである。
たとえば新潟。うまい日本酒を飲める県といえば、イコール新潟というイメージが強いが、それだけではないのだ。濃厚なマンゴーをピューレ状にしてお酒にした「新潟麦酒 マンゴーリキュール」。創業1890年の老舗がつくるスッキリ辛口の「岩の原ワイン」。お食事タイムをさらに楽しくしてくれるアルコール類が、新潟にはバラエティー豊かに存在する。
今夏のプランが未定という人は、ぜひ、マイ果実酒探しに甲信越・北陸を訪れてみてはどうだろうか。ただし車で行く場合、ドライバーはお酒が飲めないので、ちょっと辛い旅になるかもしれない。
【関連リンク】 |