ブラザー工業およびブラザー販売は23日、同社のインクジェットプリンタ/複合機の新ブランド「PRIVIO(プリビオ)」シリーズにて、新モデル17機種を発表した。9月上旬より順次発売する。

従来展開してきた、FAXや電話機能などを載せたホーム向けの「MyMio(マイミーオ)」、ビジネス向けの「JUSTIO(ジャスティオ)」から、ブランド名を「PRIVIO」に一新。ミドルクラスの「PRIVIO BASIC(プリビオ ベーシック)」、高機能の「PRIVIO NEO(プリビオ ネオ)」、ビジネス向けの「PRIVIO WORKS(プリビオ ワークス)」の3シリーズで構成する。

高機能シリーズの「PRIVIO NEO(プリビオ ネオ)」では、ホーム向け複合機のハイエンド機「DCP-J4210N」、および同製品にFAX機能・ADF(自動用紙送り)機能を加えた「MFC-J4510N」の2機種をラインナップ。価格はオープンで、店頭予想価格はDCP-J4210Nが30,000円前後、MFC-J4510Nが35,000円前後。発売は11月上旬となる。

DCP-J4210N。カラーはブラックのみ

MFC-J4510N。カラーはホワイトのみ

「DCP-J4210N」および「MFC-J4510N」は、新たにA4の横送り給紙を搭載し、奥行290mmと国内インクジェット複合機で最小クラスに省スペース化した。これに加え、手差しでA3用紙のプリントも可能。通常、A4用紙を横送りで給紙するには特有のカールが発生するが、同モデルでは独自の補正機能でカールを抑え、スムーズな給紙を実現した。

印刷スピードも改善し、1.4型(35mm)の大型ヘッドによりA4カラーで18枚/分、A4モノクロで20枚/分の速度で印刷できるようになった。最小1.5pl(ピコリットル)から数段階でインク滴サイズをコントロールするピエゾ技術も改良。ノズルは従来の2倍となる1,680ノズルとなる。

操作UIには新しく静電式の3.7型TFTタッチパネルを導入し、ホーム画面や設定画面に機能を分かりやすいアイコンで表示。フリック操作でアイコンを切り替え、直感的なナビゲーションとした。このほか、機能面では自動両面印刷やコピー機能などを備える。CD/DVD/BDレーベル印刷機能は持たない。

主な仕様は、最大解像度が最大6,000×1,200dpiで、インクがシアン/マゼンタ/イエロー/ブラックの4色独立。ランニングコストはL判写真で約19.8円。印刷速度はA4カラーで約18秒、A4モノクロで約20秒。前面カセットの給紙容量は最大150枚。対応用紙はサイズはL判~A3(A3は手差し)。消費電力はコピー時で約18W。イメージセンサーの光学解像度は2,400dpi×2,400dpi。

インタフェースはUSB 2.0×1ポート(USB DIRECT-PRINT/PictBridge、USBメモリ)、有線LAN(10BASE-T/100BASE-TX)、無線LAN(IEEE802.11b/g/n)。メモリーカードスロットの対応メディアは、メモリースティックDuo/PRO Duo、SD/SDHC/SDXCメモリーカード、マルチメディアカード/plus。

DCP-J4210Nの本体サイズはW480×D290×H163mm(収納時・以下同)、重量は約8.2kg。ビジネス利用も想定するMFC-J4510Nでは、この仕様に加え最大20枚の両面対応ADFとFAX機能(FAX規格はスーパーG3)も搭載する。MFC-J4510Nの本体サイズはW480×D290×H186mmで、重量は約9.8kg。

両機種とも同社のスマートフォン向けアプリ「Brother iPrint&Scan」に対応。新機能として、従来の写真/Webページ/PDFの印刷に加え、新たにWindows OSで作成したWordやExcelなどのOffice文書がスマホから直接プリント可能になった。同アプリはAndroid版は8月末、iOS版は9月上旬にアップデート予定で、新機能はアップデート後に利用可能。また、アップルのワイヤレス印刷機能「AirPrint」にも対応する。