暑い日が続くが、元気にしているか? 今年はロンドンでオリンピックもあったから、夏バテと寝不足のなか仕事をしているだろう。大会後はきちんと睡眠をとり、飯はちゃんと食うんだぞ。
さて、私VIDEO係長がスペシャルなビデオで若者の悩みを解決するこのコーナー。2回目の相談者は、会社で新しい役割を求められるサラリーマンのようだが……。さぁ、こっちへ来なさい!まずはハグしてやろう。
相談者:27歳・男性
「システムエンジニアです。右も左もわからないところから必死に働いてきて、気付けば入社5年目です。人の入れ替わりの多い業界カラーもあって社内では中堅といった位置づけになり、後輩も増えました。そしてついに、来月からある案件でプロジェクトリーダーを任されることになりました。チームには“ゆとり世代”の若者からオタク女子、業界未経験で転職してきた年上の新入社員と、自分とはまったく違う背景を持った人たちが揃っています。そもそも僕は人見知り。“人種のサラダボウル”みたいなプロジェクトチームの人たちをぐいぐい引っ張るなんて、とても自信がありません! 係長、どうすればいいですか?」
VIDEO係長からのアドバイス「人を取りまとめる時こそ、無理にまとめようとしないことが肝心だ!」
5年目で出世か。早いじゃないか。それにプロジェクトリーダーとは、響きまでカッコいい。お前が認められてる証拠だと思うぞ。で、相談内容をまとめると「色んな部下を一つにまとめるにはどうしたらいいか」といったところだな。
お前に教えてやろう。それは「人を取りまとめる時こそ、無理にまとめようとしないことが肝心だ」ってことだ。
学園ドラマなんかを観ているとあるだろう。一見、「善良」に見える真面目な教師が生徒に「悩みがあったら聞いて!」「私はあなたの味方だから!」と言うものの、その動きが仇となる、というシーンが。そういう時は決まって、生徒の「やっぱり教師なんて信じるんじゃなかった」というセリフがついてくるものだな。君だけでなく、自分の周りにいる人は自分とは違う人間なんだ。相手の立場になってものを考えるのは大事だが、その気持ちをこれ見よがしに押し付けると、かえって逆効果という人だっているものなんだ。
そこで参考になるのは、杉サマの立ち振る舞いだ。なに?『杉サマって誰?』だと…。VIDEOストアのBeeTVで観られるドラマ『親父の仕事は裏稼業』に出ている、杉良太郎さんのことだ。メモっておけ。
父が裏稼業を営む家族の心の関わり合いを描いたこの突飛なホームドラマ。国税局職員の長男(袴田吉彦)5代目候補の二男(池内博之)、警察官志望である大学生の三男(小野健斗)、不良娘の長女(梨里杏)と子どもたちの立場はバラバラだ。妻(高島礼子)も、密かにカタギの道で生きる道を探っている。
“一家団らん”とは異なるそんな家族にあって、杉サマ演じる父親の松田組4代目組長・松田五郎は、それぞれが抱える問題にぐいぐい首を突っ込むのではなく、ただ見守るのだよ。
自分の誕生日パーティーの時。長男が辛そうな顔をしていたが、杉サマはその場では何も聞かなかった。2人きりになった瞬間を見計らい「何かあったのか」と問いかけた。そこでも無理に答えを引き出しはぜず、あえて黙っていた。
後日、国税局職員として長男が実家の査察に入るのだが、いきり立つ次男に対し、「一番つらいのは清一(長男)だ」とだけ伝えるのだ。
「何か問題が起きてからこそ、ファミリーが心を一つにするんだ」
査察後、長男は仕事を休み実家にも帰らず、少年期に遊んでいた公園で肩を落としていた。「家族を傷つけた」。そこへ杉サマがやってきて「家族はそんなにヤワじゃない」と語りかけるシーンには、さすがの私も泣かされたよ。反抗期の息子と、いつかこんな風に語らいたいなぁ……。
劇中には、長女の夜遊びをきっかけに勃発した他の組との抗争シーンもある。ここでは杉サマ演じる親父を守ろうとする次男、構成員らの思いに触れられるぞ。
ヒリヒリとしたストーリーをなぞると、人同士の絆の温かさに気付ける。そんな作品を通し、相手を思い、平時はあえて動かないリーダーシップを学び取れ!ちなみに、杉サマは、私の元上司さ…。