パナソニックは8月21日、家庭用ルームエアコン「Xシリーズ」の新モデルを発表した。ラインナップは、冷房能力2.2kW(6畳用)の「CS-X223C」から冷房能力7.1kW(23畳用)の「CS-X713C2」までの11機種。冷房能力が2.8kW、3.6kW、4.0kWの各モデルは、単相100Vと200Vの2タイプが用意されている。発売日は、冷房能力6.3kW、7.1kWのモデルのみ11月21日で、他は10月19日。
価格はオープンで、推定市場価格は全モデルで21~34万円前後。売れ筋モデルである冷房能力2.8kWのモデルが25万円前後、冷房能力4.0kWのモデルが27万円前後となっている。
今回発表されたXシリーズの最大の特徴は、スマートフォンからのコントロール「パナソニックスマートアプリ」に対応した点だ。パナソニックスマートアプリは、同社の家電製品をスマートフォンからコントロールするためのAndroid用アプリだ。
現時点で同アプリからの操作に対応する機器は現時点で、今回発表されたXシリーズのエアコン、トップユニット冷蔵庫「NR-F557XV」、ドラム式洗濯乾燥機「NA-VX8200R/L」「NA-VT8200R/L」、体組成バランス計「EW-FA43」、活動量計「EW-NK63」、手くび血圧計「EW-BW53」、スチームオーブンレンジ「NE-R3500」、スチームIHジャー炊飯器「SR-SX102」「SR-SX182」となっている。
なお、Xシリーズのエアコン以外の機器では、スマートフォンから機器への情報の伝送は、Felica、あるいはMFCの機能を使って行われる。そのため、利用できるAndroid端末は、いわゆる"おサイフケータイ"機能を搭載したものに限られる。Xシリーズの操作では、「スマートフォン→パナソニックの運営するクラウドサーバー→自宅のブロードバンドルーター→Xシリーズ」という伝送経路が採られ、FelicaやMFCの機能を使用しない。
なお、自宅のブロードバンドルーターとXシリーズの間は、専用の無線ゲートウェイ「CF-TC7」、無線アダプター「CF-TA9」を使って接続することになる。CF-TC7とCF-TA9の間の信号伝送は無線LANやBluetoothではなく、特定省電力無線を利用して行われる。これは、機器をコントロールするためのコマンドを伝送するだけでよく、広い帯域を必要としないためだ。CF-TC7とCF-TA9は、Xシリーズと同時に発売される。価格はオープンで、推定市場価格はCF-TC7とCF-TA9を合わせて15,000円前後。
同社では今後、パナソニックスマートアプリに対応する機器を増やしていきたいとしており、機器によっては、FelicaやMFCではなくXシリーズと同様に無線を使ったコントロールを行うケースが出てくるとのこと。その際に、既にCF-TC7がある環境では、CF-TA9のみの追加でパナソニックスマートアプリが利用できるようになる。なお、Xシリーズの操作に限っては、AndroidだけでなくiPhoneも利用可能だ。
Xシリーズで利用できるパナソニックスマートアプリの機能は、「どこでもリモコン」「エコ情報」「カレンダー予約」「パワーセーブセレクト」「ダブル温度設定」「使い方ガイド」の6種類だ。「どこでもリモコン」は、スマートフォンをエアコンのリモコンとして利用できる機能。外出時に、エアコンスイッチを切り忘れたかどうか、この機能ですぐに確認することができる。また、帰宅間際に、あらかじめエアコンのスイッチを入れておくことも可能だ。
「エコ情報」は電力の使用状況を確認する機能で、「カレンダー予約」は1カ月先までの動作予約を行う機能だ。「使い方ガイド」機能では、エアコンの操作方法を調べるだけでなく、修理案内も利用できる。
エアコンとしての主な改良点は、「ムービングフラップ」の搭載だ。Xシリーズでは従来より、その部屋にいる人の活動量を検知して、動きが多いときには低めの温度、動きが少ないときには高めの温度にすることで電力消費を抑える「エコナビ」機能が搭載されている。ムービングフラップは、この制御機能に高さ方向のコントロールをプラスしたもので、頭の方を涼しく、足元を暖かくする。これにより、ムダに温度を上げることなく快適な暖房を実現することが可能となる。