総庫内容量600Lの「MR-JX60W」

三菱電機は8月21日、冷蔵庫「置けるスマート大容量 JX」シリーズ4製品「MR-JX60W」「MR-JX52W」「MR-JX55LW」「MR-JX47LW」を発表した。発売は、MR-JX60Wが11月16日、MR-JX52Wが9月30日、MR-JX55LWが11月30日、MR-JX47LWが10月26日となっている。価格はオープンで、推定市場価格はMR-JX60Wが340,000円前後、MR-JX52Wが300,000円前後、MR-JX55LWが320,000円前後、MR-JX47LWが280,000円前後。

同社によると、冷蔵庫の買い換えサイクルは約12年で、2012年は、2000年の家電リサイクル法施行による特需で購入した利用者の買い換え期に当たるという。冷蔵庫に対するニーズの中で最も大きいのが、"より大きい容量"を求める声だ。しかし現実には、キッチンの冷蔵庫を設置する場所は決められており、大きい冷蔵庫に置き換えるということは、容易なことではない。

新製品はいずれも、プレミアムタイプの6ドア冷蔵庫。総庫内容量は、MR-JX60Wが600L、MR-JX52Wが520L、MR-JX55LWが550L、MR-JX47LWが470Lだ。これらはいずれも、本体幅が685mmで、標準的なキッチンの冷蔵庫設置スペースに収まるサイズだ。同社で2002年に発売した総庫内容積455Lの冷蔵庫の幅が685mmで、同じ幅に600Lの冷蔵庫を設置することができる。なお、庫内容積600Lで本体幅685mmを実現したのは、業界初。

高密度ウレタンの採用で断熱層の薄型化を実現し、大容量とスリム化を両立

このスリム化を実現させたのが、断熱材への高密度ウレタンの採用だ。三菱電機の冷蔵庫では、真空断熱材とウレタンとの2層の断熱材が使用されている。断熱材を薄くすれば、同じスペースでも庫内容積をより多く稼ぐことができるが、省エネ性能は悪化する。それに対する回答が、高密度ウレタンということになる。ウレタンは、いわば細かな気泡の集まりだ。気泡の空気が熱の伝導を抑えることで、断熱効果を発揮する。高密度ウレタンは、この気泡をより細かくすることで、ウレタンの層を薄くしても同等の効果を得られるようにしたもの。従来は、真空断熱材とウレタンの層で厚さが45.4mmあったものが、高密度ウレタンを使用したものでは、厚みが29.5mmにまで抑えられている。

また、壁面だけでなく、ドア部分にも真空断熱材を採用することで、厚みを抑えており、写真のように、従来は100mmあった冷凍室のドアの厚みが、新製品では40mmにまで減らされている。

ドア部分にも真空断熱材が採用されている

三菱電機の冷蔵庫では、冷蔵室の最上段に回転トレー状の「回るん棚」が、そして最下段に高さの自由調節が可能な「動くん棚」が採用されていた。ところが、新モデルにはこれらの機構は採用されていない。これについて同社では、「回るん棚」は、確かに最上段に収納した食材の取り出しやすさを向上させる効果はあったが、その構造上どうしてもデッドスペースを生んでしまうため、採用を見送ったという。その代わりに、背の低い人でも最上段まで手が届く"ロータイプ"の冷蔵庫を、新たにラインナップに加えている。

新製品のうち、MR-JX55LWとMR-JX47LWは"ロータイプ"のモデルで、高さは1,691mmだ(標準タイプは1,821mm)。また、冷蔵室内の棚の配置を抜本的に見直すことで効率化を図っており、「動くん棚」も廃止された。

「回るん棚」は廃止されたが、"ロータイプ"のモデル(右)を投入

冷蔵室内は、最下段を広く採ってあり、「動くん棚」がなくても、鍋などをそのまま収用できる

また、新UI(ユーザーインタフェース)として、「タッチdeアシスト」も採用。冷蔵室のドア部分に「野菜のうるおい保存」「高速製氷」「節電機能」などに対応したアイコンを設けることで、必要な操作を直感的に行うことができる。

新コンセプト「SMART QUALITY」のイメージキャラクターに女優の杏さんを起用

新しくイメージキャラクターに選ばれた、女優の杏さん(左)。右は、同社のリビング・デジタル・メディア事業本部長 梅村博之氏

なお同社では、家電事業の新コンセプト「SMART QUALITY」を発表。これは、従来の「らく楽アシスト」「節電アシスト」から一歩進んで、暮らしのクォリティを向上させるというコンセプトだ。同コンセプトのイメージキャラクターとして女優の杏さんを登用、今後、同社の製品のテレビCMなどに起用していくという。


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