大阪府北区のDDハウスに「童話の世界に飛び込めるレストラン」があり、連日お客さんが殺到している、と聞きつけたので早速行ってみた。するとそこに待ち受けていたのは、私の背丈を優に超すほどの巨大な絵本。「本当にここがレストラン!?」とワクワクしながら、そっと絵本を押してみると、かわいらしい「アリス」が「幻想の国の世界へようこそ!」と出迎えてくれた。
大きな絵本のドアを押すと、そこはアリスのティーパーティー会場!?
店の名は「幻想の国のアリス」。ここは、ルイス・キャロル作の『不思議の国のアリス』とその続編『鏡の国のアリス』をモチーフとしたレストランで、メニューはイタリアンベースの洋食を提供している。エントランスを抜けると、ブルーのかわいらしいコスチュームを着た店員さんが笑顔で迎えてくれる。
彼女たちはここでは、「アリス」と呼ばれている。現在、アリスは全員で14名。しかものっけから、近藤店長の「季節やイベントによってはアリス以外のキャラクターも登場するかもしれませんよ」という言葉にそそられる。
店に入ってまず目に飛び込んできたのが、キラキラ光るシャンデリアが特徴的な大人数用テーブル席「花話(はなはな)の庭」。むむむ!? これはアリスがティーパーティーを開いた会場では? この席で食事するなら、絶対“お誕生日席”に座ってアリス気分を味わいた~い! などと妄想が膨らむ一方。
そして次に案内されたのは、「クイーンアリスの部屋」。この席は、チェス盤がテーブル中央に置かれた2名用カップルシートで、休日になると予約が殺到するほどの人気だという。他には鏡が一面に張り巡らされた「逆さ鏡の部屋」など、個性的な12テーブルが並んでいるので、来店するたびに異なる席をチョイスすれば、毎回新鮮な気持ちを楽しめそうである。
物語の世界観に徹底的に酔いしれたいなら、コース料理がおすすめ
ファンタジーなこだわりは内装だけではない。料理のネーミングもまたユニークなのだ。お店イチオシの「いもむしおじさん マグロとアボカドロール」や「びっくりうさぎのタルト」など、アリスの世界を楽しめる料理が豊富にそろっている。
「特に注文が多いメニューは?」と尋ねたところ、単品ではなく、「ファンタジーブックコース」(全7品/5,000円)や「ワンダーランドコース」(全5品/3,500円)といったコースで楽しむ人が多いのだと教えてくれた。これらのコースは料理が運ばれてくると、ほとんどのお客さんが携帯を取り出して写真を撮りはじめるほど盛り付けがかわいらしい。これも人気の要因なのではないだろうか。
女子会や誕生日会での利用にも最適
取材の途中でこの店を愛してやまないというお客さんにインタビューしてみたところ、「女子会でよく利用するんです」と答えてくれた人が非常に多かった。メルヘンな雰囲気の中、かわいいネーミングのイタリアンを食べながらの女子会なら、きっと楽しいに違いない。また、ドリンクメニューもバラエティー豊か。「アリスの涙」、「女王様の赤いバラ」といったオリジナルカクテルも多数そろっているので、ぜひ試してみてほしい。
平日も多くのお客さんでにぎわっているが、日曜、祝日にはファミリー層やバースデーパーティーでの利用客でさらに活気づくという。わざわざ遠方から足を運ぶお客さんも少なくないそうで、取材中にもひっきりなしに予約の電話が鳴っていた。それぐらい大人気なので、来店の際には必ずご予約を!
和風な世界がお好みなら…
取材を終えて店を後にしようとしたその時、店長から驚きの一言が! 「実は隣で竹取物語の店もやっているんです」。え? 竹取物語の店!? これは見過ごすわけにはいかない。早速、行ってみなきゃ!! と、踵(きびす)を返して「竹取百物語」に入店。
こちらの店では、優雅に泳ぐ大量のコイが出迎えてくれた。コイが泳ぐ滝を抜けた先には巨大な竹が! そしてその竹の中にテーブルが見える。なんと、「竹の籠(たけのはこ)」というかぐや姫の誕生をイメージした巨大な竹のオブジェの中に、5名用のテーブル席がすっぽり入っているのだ。他に、最大60名が利用できるテーブル席などの6つの空間と優雅なBARからなる「都の苑(みやこのその)」というフロアもある。こちらは、かぐや姫が過ごしたぜいたくな屋敷をイメージしているのだとか。
アリスとは異なる「和」のファンタジー空間を楽しめる「竹取百物語」に関しては、「和風料理がメーンのせいか、6割が男性客ですね」と同店店長。飲み会出席者の顔ぶれや好みに合わせて店を使い分けるのもよさそうだ。
大阪観光の際に日替わりで2店舗訪れるのもいいだろう。昼は繁華街で豪快に遊び、夜は日常を忘れてファンタジーの世界の住人となる…そんな夏休みの過ごし方もオツだと思う。また、「幻想の国アリス」では1,000円程度のリーズナブルなランチメニューも用意しているので、まずは気軽に利用してみたいという人は、ランチでの利用がおすすめだ。
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