内閣府は13日、2012年(平成24年)4~6月期四半期別GDP(国内総生産、季節調整済み)速報を発表した。それによると、2012年4~6月期の実質GDP成長率は、前期(1~3月期)比0.3%増、年率換算で1.4%増と、4四半期(12カ月)連続のプラスとなった。しかし、伸び率は前期の年率5.5%増から大幅に鈍化した。
景気実感に近いとされる名目GDPの成長率は、前期比0.1%減、年率換算で0.6%減少した。
GDPの寄与度について見ると、実質GDPは国内需要(以下、内需)が0.4%増、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が0.1%減。名目GDPは内需が0.1%減、財貨・サービスの純輸出(同)が0.0%減で横ばいとなった。
民間需要のGDPの内訳を見た場合、民間最終消費支出は、実質GDPが0.1%増(前期1.2%増)、名目GDPが0.3%減(同1.5%増)。このうち、家計最終消費支出については、実質GDPが0.1%増と、5四半期連続のプラスとなったが、前期の1.2%増から縮小した。これについて内閣府は、エコカー補助金による押し上げ効果が鈍ったことが大きいと分析している。
民間住宅に関しては、実質GDPが0.8%増(前期1.6%減)、名目GDPが0.8%増(同1.7%減)。民間企業設備は、実質GDPが1.5%増(同1.6%減)、名目GDPが1.6%増(同1.6%減)だった。
公的需要について見ると、政府最終消費支出は、実質GDPが0.3%増(前期1.0%増)、名目GDPが0.4%減(同1.2%増)。公的固定資本形成は、実質GDPが1.7%増(同3.6%増)、名目GDPが1.9%増(同3.1%増)となった。
財貨・サービスの輸出は、実質GDPが1.2%増(前期3.4%増)、名目GDPが1.0%増(同3.4%増)。財貨・サービスの輸入は、実質GDPが1.6%増(同2.2%増)、名目GDPが1.0%増(同3.3%増)だった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーター(前期比変化率)は、0.5%の減少(前期0.0%減)。国内需要デフレーターも同じく0.5%減(同0.2%減)となった。一方、財貨・サービスの輸出デフレーターは、0.2%減(同0.0%減)、輸入デフレーターは、0.6%減(同1.1%増)だった。
古川経済財政政策担当大臣は、4~6月期のプラス成長の要因として、「復興需要に加え、雇用や収益環境の持ち直し等を背景に、民需の各項目が増加したこと、復興事業を中心とする公共投資も引き続き進捗していることなどが挙げられる」とコメント。その上で7~9月期について、「趨勢としては、雇用や収益環境の持ち直しが続くことから、緩やかな成長が続くと見込まれる。ただし、欧州政府債務危機を背景とした海外経済の更なる下振れには留意する必要がある」としている。
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