「NTFS for Mac」ドライバのインストール
「NTFS for Mac」ドライバのインストールは簡単。対応しているMac OS Xのバージョンは、10.4(Mac OS X Tiger)から10.7(OS X Lion)だ。今回、最新のMac OS X 10.8(Mountain Lion)を搭載したMacBook Proで試したが、問題なく利用できた。
インストールの手順だが、MacBook/MacBook ProなどにHDTC615を接続し、Mac OS Xでデバイスの「TOSHIBA EXT」を開く。「Mac Drivers」フォルダにある「Tuxera NTFS for Mac.dmg」というファイルをダブルクリックするとメニューが開くので、インストーラを起動して、画面の指示に従うだけでよい。最後にOSを再起動すれば、Mac OS Xからファイルを読み書きできるようになる。
なお、NTFS for Macドライバは、「CANVIO for PC」シリーズの1.5TBモデルのみに同梱される。NTFSドライバを使わない場合は、HFS+などに再フォーマットしなければ、Mac OS Xで運用できないので、Mac OS Xユーザーにとって1.5TBモデルの登場は益するところが大きい。
SSDには及ばないが、ベンチマーク結果は上々
「Blackmagic Disk Speed Test」を使って、HDTC615の性能もチェックしてみた。USB 3.0接続で計測したところ、転送速度は読み書きともに約100MB/秒だった。USB2.0で接続した外付け型HDDは、転送速度がだいたい30MB/秒前後であることが多いので、期待通りの数値だ。MacBook Pro本体のSSD(256GB)と比べると約4分の1程度ではあるが、体感的には十分快適に使える。
また、参考までにXbench 1.3でも計測してみた。
■ Xbench 1.3の結果 | HDTC615 | 内蔵SSD |
---|---|---|
Disk Test | 36.64 | 486.24 |
Sequential | 161.01 | 313.52 |
Uncached Write(4K blocks) | 124.49 | 598.95 |
Uncached Write(256K Blocks) | 204.62 | 493.24 |
Uncached Read(4K blocks) | 141.33 | 133.79 |
Uncached Read(256K Blocks) | 206.30 | 630.14 |
Random | 20.67 | 1082.80 |
Uncached Write(4K blocks) | 6.53 | 1172.64 |
Uncached Write(256K Blocks) | 100.03 | 715.39 |
Uncached Read(4K blocks) | 50.84 | 2489.75 |
Uncached Read(256K Blocks) | 94.04 | 959.82 |
WindowsとMac OS Xの相互運用が簡単に実現
HDTC615は標準でNTFSフォーマットされているものの、買ってくればすぐに、WindowsとMac OS Xで利用できる手軽さが最大のウリ。再フォーマットすることなく、Mac OS Xに「NTFS for Mac」ドライバをインストールすれば、Mac OS XとWindowsの相互運用を実現できる。プライベートはMac OS X、仕事でWindowsというように、両方のOS環境を使い分けている人には、とても便利な製品と言えるだろう。
ただし、Mac OS Xで使うときに注意したいのは、NTFSフォーマットのHDDはTime Machineの保存先に利用できないことだ。Time Machine機能を利用したいときは、HFS+でフォーマットする必要があるが、するとWindowsからアクセスできなくなる。HFS+領域とNTFS領域を作るといった工夫が必要になるだろう。
HDTC615の価格はオープンだが、店頭予想価格は16,000円前後なので、容量や同梱のソフトウェアを考えるとコストパフォーマンスは上々だ。Mac OS XとWindowsを併用していたり、ノートPC本体のSSDで容量不足に悩んだときの、選択肢の1つに加えてはどうだろうか。