東芝ホームアプライアンスは8月8日、ロボット掃除機の新製品「Smarbo(スマーボ) V VC-RB8000」「同VC-RB7000」を発表した。発売日は9月1日で、価格はオープン。推定市場価格は、VC-RB8000が9万円前後、VC-RB7000が8万円台となっている。
スマーボ V VC-RB8000、VC-RB7000では、「しっかり」「丁寧」に掃除できる点を重視。
具体的には、ダブルブレイン機能(2基のCPU)と45個のセンシング機能を利用した独自のナビゲーションテクノロジーを搭載。室内を7cm平方ずつに区画分けし、掃除したルートを記憶。同じ場所を縦横2回ずつ、計4回掃除するため、ゴミの取り残しを減らせる。2基のCPUのうち、1基では、移動速度や移動距離、角度を分析して動きを制御し、もう1基ではカメラで捉えた画像を分析して動きを制御するという。
また、掃除能力を強化するために、吸い込み口の幅を広くし、さらに新開発のワイドパワーブラシを用いた「4段階お掃除システム」を採用。ワイドパワーブラシは開口部の幅が20cmと広く、絨毯に絡みついた髪の毛やフローリングの溝に溜まったゴミも強力に掻き込める。
加えて、赤外線センサーがゴミの多い場所を検知。ゴミが多い場所に対しては、念入りに2回廻って掃除をする。
お掃除モードは「自動」「スポット」「節電」「手動」の4つを用意。節電モード時は、縦横2回ずつではなく等間隔の1回ずつの清掃となる代わりに、消費電力を約35%抑えられる。手動はリモコンで操作できるモードだ。
主な仕様は2モデル共通で、消費電力が40W(充電時)、運転音が約56dB(標準モード)・約52dB(マナーモード)、最長運転時間が約60分(使用環境により異なる)、充電時間が約180分となっている。本体サイズはW350×D350×H80mm、本体重量は3.2kg。
VC-RB8000とVC-RB7000の機能上の違いは、掃除エリアを制限できる「バーチャルガード」の数(VC-RB8000:2個、VC-RB7000:1個)と、VC-RB8000のみ「交換用プリーツフィルター」が付属する点となっている。また、VC-RB8000は本体カラーがホワイト、VC-RB7000はブラックのみが用意される。
共働き夫婦や高齢者の増加で市場が急拡大
8日に行われた報道関係者向けの発表会では、同社の取締役社長・石渡敏郎氏が登壇。「東芝は"初物"をリリースすることが多い」と1931年に国産掃除機第一号(「VC-A」)を発売したことや2000年に本体一体型のサイクロン式コードレスクリーナーを発売したことを紹介。
その上で、「実はロボット掃除機も東芝が第一号製品を出している」と、2002年に発売したロボット掃除機「トリロバイト ECL-TR1」を挙げた。ただし、「この製品は25万円ほどと高かった」と、浸透させ切れなかった要因を分析。
続いて東芝ホームアプライアンス リビング機器事業部 リビング機器企画部 クリーン商品企画担当の小林博明氏が登壇。小林氏によると、ロボット掃除機の市場は2010年度が10万台、2011年度が対前年比180%の18万台、2012年度見込みが同140%の25万台と、この数年で飛躍的に拡大しているという。背景には、共働き夫婦や高齢者の増加などがあると同社ではみている。
一方で、「"音がうるさい""ゴミが取り切れていない"など、ロボット掃除機への不満点も挙げられている」という状況でもあるという。新製品では、同じ場所の4回清掃(縦横2回ずつ)など、掃除機としての性能強化を重視。こぼした小麦粉や絨毯上に飛散した砂の除去率は従来比で2倍以上にまで向上しているという。また、運転音に関しても、現在販売されているロボット掃除機では最低レベルという約52dBを実現した点も紹介された。