ぐるなび総研は、東京海洋大学食品冷凍学研究室(鈴木徹教授)との共同研究で、冷凍・解凍段階におけるマグロの同一細胞の変化を、染色処理など化学的処理を行わず、動画で撮影することに、世界で初めて成功した。
マグロのより美味しい冷凍・解凍方法実現の期待も
マグロは、漁船上で冷凍され飲食店や小売店、家庭で解凍されることがほとんど。そのため、冷凍・解凍方法がマグロを美味しく食べるために必要な要素とされている。しかし、美味しく食べるための冷凍・解凍方法は、漁業・流通業のベテラン職人による経験や勘を頼りに行われてきた。
さまざまな冷凍技術や冷凍機器も開発されている。しかし、それらの有効性や最適な冷凍時間、解凍方法を検証するには、マグロの切り身をホルマリン漬けにし、ゼラチンで固めた後に、染色処理を施してから顕微鏡で観察する必要があった。また、一貫して同一細胞の経過を見ることができず、各段階ごとにマグロの異なる部位を採取して検証していた。
従来の方法では化学的処理を行うことによりマグロが変質してしまうため、正確なデータが収集できないうえ、冷凍から解凍までの一連の外部要因を経たマグロの状態を観察できなかった。
今回の共同研究では、それらの課題を解決することに成功。同一細胞での検証を実現し、また従来は約3日間かかっていた検証を、約30分まで短縮させることが可能となった。
ぐるなび総研では、今回の検証方法をマグロだけでなく、さまざまな食材の冷凍・解凍技術の検証に展開し、将来的にはその検証結果を飲食店に伝えることで、よりおいしい食材が店舗で提供できるようになることを目指すという。