富士通は4日、島根県出雲市にある同社ノートPCの生産拠点、島根富士通にて「富士通パソコン組み立て教室」を開催した。「富士通パソコン組み立て教室」は同社が毎年夏に開催している親子向けのパソコン教室で、パソコンの組み立てや工場見学を通して「ものづくり」体験を学習できるイベント。組み立てたパソコンは後日自宅へ送られ、自分で使うことができる。

島根富士通

パソコン教室の看板。イベントは13時から開始した

7回目を迎える今年は、同社のUltrabook「LIFEBOOK UH75/H」(2012年5月発表)を全13工程で組み立てる。対象は小学校5年生~中学校3年生で、原則として保護者の同伴が必要だ。毎年募集人数をはるかに超える応募があるという「パソコン組み立て教室」だが、今年は30組の定員に対し今年は61組の応募があったという。

会場風景。1組ずつにスタッフが付き、組み立てをサポートする

島根県安来市のマスコットキャラクター「あらエッサくん」など、毎年"ゆるキャラ"たちも登場

今回組み立てるLIFEBOOK UH75/Hの特徴

■LIFEBOOK UH75/Hの主な仕様   [CPU]  Intel Core i5-3317U(1.70GHz)   [チップセット]  Mobile Intel HM76 Express   [メモリ]  PC3-12800 4GB   [ストレージ]  高速処理用 32GB SSD+500GB SATA HDD   [グラフィックス]  Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵)   [ディスプレイ]  14型ワイド(1,366×768ドット)   [サイズ/重量]  約W327×D225×H9.0~15.6mm/約1.44kg   [バッテリタイプ/駆動時間]  リチウムイオン/最大9.1時間   [OS]  Windows 7 Home Premium SP1 64bit版

なお、同社デスクトップPCの生産拠点である富士通アイソテック(福島県伊達市)でも、毎年同様の教室を開催。こちらは2012年で9回目の開催となり、今年は「ESPRIMO FH50/HN」(ESPRIMO FH54/HT相当品)の組み立て教室を7月28日に開催している。

「日本でUltrabookを作っているのは富士通だけ」

島根富士通代表取締役社長の宇佐美隆一氏

イベントの開始に先立ち、島根富士通代表取締役社長の宇佐美隆一氏が登壇。「Ultrabookというジャンルが生まれたのはここ1年くらいだが、日本でUltrabookを作っているのは、ここ富士通だけ。Ultrabookの組み立ては大変だと思うかもしれないが、一人一人サポートするので、頑張って完成させましょう」と参加者にエールを送った。

また、今年は"プロテニスプレイヤーの錦織圭選手"が「ロンドンから応援に来ました」とテニスウエア姿で登場し、会場を沸かせた。これは時事ネタを取り入れた同社恒例の演出で、登場したのは錦織選手に扮した同社社員。実際の錦織選手とは全く無関係だが、オペラ歌手の錦織健とは母親が同級生という。

錦織選手に扮する同社社員の錦織卓也氏。爽やかな笑顔でラケットを振りながら登場し、テニスの話題で会場を盛り上げていた

LIFEBOOK UH75/Hの実際の組み立ては、部品点数110点・組み立て時間10分だが、「パソコン組み立て教室」では部品点数30点・組み立て時間60分で、実作業を約1/3に簡略化している。前半は6工程(30分)で途中に休憩を挟み、後半の7工程(30分)でパソコンを完成。参加者それぞれに1名のスタッフがサポートに付く。

LIFEBOOK UH75/Hの完成後は、工場内でノートPCの生産ラインを見学する。現場スタッフの方に伺った話では、「LIFEBOOK UH75」の組み立ては通常のA4ノートサイズのパソコンより難しいとのことだった。それでは、実際の組み立て教室の様子を見ていこう。

液晶ディスプレイやメインボードを取り付ける前半戦

参加者はゴムマットが敷かれた作業台でパソコンを組み立てる。まずはエプロンと静電気防止のためのゴム製手袋・アースバンドを装着し、アースバンドの端はゴムマットに付ける。必要なねじは工程ごとにあらかじめ分けられ、2種類のドライバーとともに置かれていた。

前半の工程(30分)

  1. 液晶ディスプレイとアッパーカバーの取り付け
  2. フレームの取り付け
  3. メインボードの取り付け
  4. オーディオボードの取り付け
  5. グライドポイント、キーボードのフレキケーブル接続
  6. 指紋ボード/リチウム電池の取り付け

最初に液晶ディスプレイとアッパーカバーをつなぐ。次にフレーム、メインボードと取り付けていく。メインボードは薄く小型なので丁寧に扱う必要がある。なお、本稿の最後に実際に各工程で表示されたスライドショーをまとめているので、補足として参考にしてほしい。

フレームなどを一通り取り付けたら、オーディオボード、グライドポイント(タッチパッド)の順に設置。そしてメインボードとグライドポイント、キーボードを平たいフレキケーブルでつなぎ、その次に指紋センサーを取り付ける。いずれのパーツも、コードが長くもなく短くもない、丁度良い長さだった。

手袋の親指と人差し指の先端は指が出るよう切られている。ねじは工程に必要な分だけ小分けにされ袋詰めされ、分かりやすい

アッパーカバーはキーボード面のカバーのこと

フレームの取り付け。この上にメインボードを装着する

メインボードの取り付け。非常に薄く精密なため、両手で扱うように指示される

オーディオボードはカバーを閉じる時に挟まないようコードを内部にしまいこむ

グライドポイント(タッチパッド)とメインボードを薄いフレキケーブルで接続。コネクタは破損しやすいので力加減が難しい

キーボードとメインボードを同じように接続

指紋ボードとリチウム電池を取り付け。写真奥にあるボードが指紋センサー用のボード

ここまでで前半戦終了、「ちょっこし休憩」。参加者は用意された飲み物で一息ついていた

ちなみにスタッフが着ているのは「FMVは出雲生まれ!」のTシャツ。背中の文言は毎年変えるという

次のページ:後半戦開始! 工場の実作業を体験できるアイデア満載のイベントも