カシオ計算機は1日、グランドピアノのような大屋根開閉による音響変化を楽しめる電子ピアノ3モデルを発表した。9月中旬より順次発売する。価格はPriviaシリーズ最上位「PX-850」が120,750円、CELVIANOシリーズ最上位「AP-650M」とミドルレンジ「AP-450」がオープンで、店頭予想価格は150,000前後と100,000前後。

Privia PX-850

CELVIANO AP-650M

CELVIANO AP-450のブラックウッド調(左)とオークウッド調(右)

マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR技術のイメージ図

いずれも「音と鍵盤に徹底的にこだわった」モデルといい、鍵盤を押す強さに応じた音量や、発音から消音までの時間的な変化を自然に再現する「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR」を搭載。大容量メモリとデータ圧縮技術で、ピアノ音の波形データの情報量を従来に比べリニア換算で約3倍に拡大した。最大同時発音数は256音。また、打鍵の強弱に応じた余韻の長さもコントロールできる。

鍵盤では新しく「3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤II」を採用し、グランドピアノと同様に、打鍵の強弱と弦を鳴らすハンマーの大きさの違いで、鍵盤領域による発音タイミングの違いを表現。また、88鍵盤すべてで弦の共鳴が異なる「ストリングレゾナンス」や、音を伸ばすダンパーペダルの効果が楽しめる「ダンパーレゾナンス」、鍵盤から指を離す速さで音色が変化する「キーオフシミュレーター」なども備えている。

ピアノ本体では、天板を開閉できる天板開閉機構も新搭載。グランドピアノの大屋根開閉による音響変化や広がりをデジタルで再現する「リッドシュミレーター」により、ピアノ本体上部の天板を開けることで音の伸びなどが変化する。開閉レベルは演奏者の好みに応じて調整可能で、視覚的にも楽しめる仕様。ただし、開閉によってリッドシュミレーターの値は変化しない。

このほか、演奏の録音機能や2種類の音色を重ねて演奏する「レイヤー」機能、鍵盤の左右で同じ音域の演奏が可能な「デュエットモード」、60曲のミュージックライブラリ、自動伴奏機能(AP-650Mのみ)などを備える。

合わせて、「リッドシュミレーター」や本体の天板開閉機構を省き、「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR」音源や「ダンパーレゾナンス」などを搭載したモデルも発表。価格は「Privia PX-750」が92,400円、「Privia PX-150」が66,150円、「CELVIANO AP-250」がオープン(店頭予想価格は80,000前後)で8月28日発売。「Privia PX-350M」が92,400円で9月中旬より発売する。

Privia PX-750のブラックウッド調(写真左)、オークウッド調(写真中央)、ホワイトウッド調(写真右)

Privia PX-150(ブラックメタリック調・パールホワイト調)

CELVIANO AP-250

Privia PX-350(ブラックメタリック調)