NTTドコモは、カナダResearch In Motion(RIM)のスマートフォン「BlackBerry」を販売するとともに、法人向けのネットワークサービスとして「ブラックベリーエンタープライズソリューション」を提供している。ドコモでは、BlackBerryの強力なセキュリティや快適な通信を実現するブラックベリーエンタープライズソリューションを、2週間体験できる「Try BlackBerry」(法⼈のお客様向け導⼊評価プログラム)を実施している。「使ってみたいけど、自社内で利用できるか分からない」という企業でも簡単にサービスを体験できる。
ブラックベリーエンタープライズソリューションは、BlackBerryを支える1つの大きな柱だ。個人向けには「ブラックベリーインターネットサービス」が提供されているが、法人向けに用意されているのがブラックベリーエンタープライズソリューションだ。ブラックベリーエンタープライズソリューションでは、社内のグループウェアに外出先からアクセスする際に、BlackBerry端末からドコモのFOMA回線を利用してBlackBerry Enterprise Server(BES)に接続し、そこからインターネットを経由して社内ネットワークに接続する。社内にあるExchange ServerやLotus DominoにBESを経由して接続することで、より安全に、より快適に利用できるようになる、というのが特徴だ。
「Try BlackBerry」プログラムのトップページ。ここから、試用申し込みが可能 |
ドコモの「Try BlackBerry」プログラムは、BlackBerry端末の最新機種となる「BlackBerry 9900」とBESサーバーを貸し出し、ユーザー環境で実際に試用し、満足してもらえれば導入してもらうというものだ。貸出期間は2週間、BlackBerry端末は3台まで。 ドコモのスマートコミニュケーションサービス部オープンサービス企画担当の竹下理人氏は、「必ず満足してもらえる自負があるから」今回のキャンペーンを実施していると話す。
NTTドコモの竹下理人氏 |
ブラックベリーエンタープライズソリューションのメリットは、BESサーバーと端末の通信が暗号化されることで、より強固なセキュリティを確保できるという点だ。金融、官公庁、生損保などを始め、詳細な個人情報を扱うような業界で導入されており、その強力なセキュリティは折り紙付き。強固なセキュリティだけでなく、IT管理者が社内の端末をより簡単に管理できるようになるという点も見逃せない。
昨今は企業でもスマートフォンを社員に配布したり、社員が私物のスマートフォンを持ち込んでいたりするが、企業の重要な情報に簡単にアクセスでき、情報の閲覧、編集がしやすいスマートフォンは、従来の携帯電話以上にセキュリティに配慮する必要がある。しかし、スマートフォンではIT管理者による集中管理がしづらかったり、そもそも私物のスマートフォンを管理するのは難しかった。
そこで、ブラックベリーエンタープライズソリューションを活用することで管理者がWebサイトから企業内の端末を一括で管理することができる。500種類以上のITポリシーが用意され、Webサイトの閲覧、メールの利用といったアプリの制限、パスワードを設定しているかどうかの確認、アプリのインストール可否、カメラの利用制限など多彩なITポリシーがあり、企業のセキュリティレベルに応じて、自由に設定できる。部門ごとにポリシーを変えて設定することも可能だ。
紛失時のリモートロックやリモートワイプなど、いざというときの機能も万全で、これをIT管理者が容易に行える点がポイントだ。「IT管理者が不安を抱えずに使ってもらえる、管理が楽」と竹下氏も強調する。IT管理部門がしっかりした企業だけでなく、IT管理者の人数が満足にいない企業や、兼任しているような企業でも、スマートフォンを楽に管理できるようになる、というわけだ。
ブラックベリーエンタープライズソリューションでは、ExchangeやDominoが自社内にあり、ファイアウォールを設置している企業向けのサービスだ。しかも最近はPOPメールサーバーがある企業であれば導入できるような選択肢も広がり、敷居も低くなっている。
導入時の設定自体はファイアウォールの外向きポートを空けるなど、わずかな手順で利用できるが、Try BlackBerryを利用すれば、すべてドコモが構築してくれる。もちろん、自社の環境で設置できるかどうか、事前のヒアリングを行ってから導入を行う。最終的な動作確認もしてくれるので安心できる。
2週間という期間は短く感じるかもしれないが、企業内のテストには十分対応できる期間だという。
実際にTry BlackBerryを利用したユーザーからは評判が良く、特にIT管理者は高評価で、採用にいたる率が高まっているそうだ。当初はBlackBerry端末を3~4台と小さい数字で導入しても、その後利用者を広げて数十台を導入するという例もあるそうだ。まず「使ってもらう」ことが重要で、竹下氏も「まず身近に感じてもらい、手にとって使ってもらいたい」とアピールする。
貸し出される端末も、最新のBlackBerry 9900。Webブラウザの速度が速くなり、キーボード、画面が大きくなるなど、さらに使いやすくなっている。実際にユーザーの声も好評で、「プロダクトとして完成されている。使ってもらえれば必ず分かる」と竹下氏も自信を見せる。
サポート面でも、端末からネットワークまでをカバーするRIMの垂直型サポートに加え、ドコモのサポートも利用できる点も安心につながるだろう。
「リモート環境でも、セキュアに自社のイントラネットに接続できる。IT管理者も安心して使える。キーボード付きで、外出先から営業日報を入力するなど、ビジネスの効率も上がる」。竹下氏はそう強調し、Try BlackBerryをまさに「トライ」してほしいとアピールしている。
(執筆:三谷真)