小田原城址公園二の丸南掘のハスが見ごろだ。郷土文化館のバルコニーから池いっぱいのハスの花を鑑賞できる。
郷土文化館はお堀に面したバルコニーをハスの花の鑑賞のために解放する。7月28日~8月19日まで、開放時間はハスの開花時間にあわせて8:30~12:00となっている。
小田原城のハスは「大賀ハス」と呼ばれる。2,000年前のハスの実から発芽したものが根分けされたものだ。ハスの実は1951年に植物学者である大賀博士によって、千葉県検見川の落合遺跡から3粒発掘された。放射性炭素測定によって2,000年前のハスの実である事が推定され、国内のみならず海外でも反響があった。その後ハスの実は発芽、開花に成功。それが日本、世界各地に根分けされた。現在千葉県の天然記念物にも指定されている。郷土文化館では鑑賞のためにバルコニーを解放するとともに、望遠鏡を設置してハスの花の美しさをより観察しやすくしている。
小田原城は、戦国時代の小田原北条氏の居城として知られる。1561年には上杉謙信と戦い、1568年には武田信玄との戦の舞台となっている。小田原評定という言葉で今に話継がれる豊臣秀吉の小田原征伐まで、南関東地方の政治の中心地として小田原城は北条氏とともに続いた。その後、徳川の時代になり、徳川の家臣の大久保氏に引き継がれて明治時代となる。
明治時代に天守閣をはじめほとんどの建造物が取り壊されたものの、昭和から平成にかけて復元が進み、天守閣、常盤木門、銅門、馬出門が復元された。特に天守閣は宝永時代の設計図を基に作りなおされており現在に至っている。2006年には日本100名城に指定された。
現代の小田原城天守閣は鉄筋コンクリートで建造されており、内部は古文書、絵図、武具、刀剣などの歴史資料の展示室となり小田原の歴史を肌で感じる事のできる施設となっている。最上階展望室からは石垣山一夜城や相模湾、晴れた日には房総半島まで一望することもできる。
また、小田原城址公園は一年を通して花を楽しめる場所でもある。冬は梅、春は桜、藤、つつじ、夏には花菖蒲、あじさい、大賀ハス、秋には天守閣広場で菊花展が開催される。
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