NVIDIA VGXボードは4基のKepler世代のGPUを搭載

NVIDIA VGX用のグラフィックスボードは、1ボード当たり4基のKepler世代のGPUが搭載されており、1ボードあたり総16GBのビデオメモリが搭載されている。1ボードあたり、100人分、1GPUあたり25人分の仮想マシン用の仮想GPUが提供出来ると説明されている。

NVIDIA VGXボードにはKepler世代のGPUを4基搭載する

デルのR720サーバーでは2枚のNVIDIA VGXボードを搭載可能

クーリングシステムは電動ファン無しのパッシブクーリングシステムを採用。マザーボードとはPCI Express経由での接続となる。

NVIDIA VGXボードが搭載できるサーバとして、現状はデルのR720があるが、従来機であってもPCI Expressバスが備わり、GPUコンピューティングサーバのNVIDIA TESLAの搭載を想定したものであれば搭載は出来るはずだとのこと。

ところで、NVIDIAのサーバにGPUを搭載し、これをクラウドサービスとして提供するソリューションとしては、GTC2012にて「GeForce GRID」も発表されている。

両者はよく似ているが、NVIDIA VGXが一般的なPCオペレーションを想定した仮想マシン化技術だったのに対し、このGeForce GRIDが想定する仮想マシンはゲーミングPCとなる。

ハードウェアも、採用GPU世代こそ同じだが搭載GPUの個数が異なっており、NVIDIA VGXボードの4基に対して、GeForce GRIDボードでは2基となっている。NVIDIAによれば、GeForce GRIDボード1枚あたり4人~8人(1GPU当たり2人~4人)のPCゲーミングを可能にすると発表されており、これはNVIDIA VGXよりもだいぶ想定人数が小さい。

GeForce GRIDはゲーミング体験を提供する仮想マシン技術

Geforce GRIDボードのスペック

これはGeForce GRIDが、一般アプリケーションでのGPU活用ではなくゲームを想定しているためだ。

例えば、NVIDIA VGXが想定するビデオ再生、図版製作といった一般PCオペレーションでは、プログラマブルシェーダーユニットを数基起用すれば事足りるし、映像自体の出力もハイフレームレートである必要はないため、ビデオストリームを生成するためのH.264エンコーダの活用も、マウスクリックのたびに行う程度で事足りる。

一方、ゲームの場合は、そのグラフィックスレンダリングのためにプログラマブルシェーダーユニットを総動員させる必要があり、レンダリング結果は毎秒30コマ~毎秒60コマだ。つまり常に映像を更新し続ける必要があるためH.264エンコーダもフル活用になる。なので、GPUにパフォーマンス的な余裕がなくなるため、想定人数を多く出来ないのだ。

NVIDIA VGXとGeForce GRIDは、根底となる技術はほぼ同じだが、異なるユーザー体験を実現する目的から、異なったソリューションとして提供されるのだ。

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