NVIDIAは5月に米サンフランシスコで開催した「GPU Technology Conference 2012」(GTC 2012)にて、同社のGPUを仮想化させて、クラウドサービスを行う技術「NVIDIA VGX」を発表した。
約2カ月後となる2012年7月25日に、NVIDIAは翌26日開催の「GPU Technology Conference JAPAN 2012」(GTCJ 2012)に先駆けて、この「NVIDIA VGX」についての日本向けの説明会を行った。
NVIDIA VGXとは?
NVIDIA VGXとは、サービス的な視点で見れば、GeForceに代表されるようなハイスペックGPUを搭載した仮想マシン(例えばWindows PC)を、ユーザーが任意のネット端末などから利用出来るようにするものだ。
使い道で言うならば、iPad上からWindowsベースのPowerPointでプレゼンテーションデータを作成したり、あるいは日常の仕事マシンの環境を会社以外の・・・…たとえば自宅から、出張先のホテルからでも利用出来るようにするサービスだ。
「実体のないパソコンの使用環境(すなわち仮想マシン)をクラウド側におくことで、いつでもどこからでも、ネット環境とネット端末さえあれば、その仮想マシンを使えるようにする」……こうした仮想マシンのクラウド化という概念は近年、ビジネスの現場では、身近なものになりつつある。しかし、グラフィックスヘビーな仕事をクラウドベースの仮想マシンで行う事は非現実的だった。
NVIDIA VGXは、クラウドベースの仮想マシンにもハイパフォーマンスなグラフィックス性能を与えようとするテクノロジーになる。
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