岡山県にある牛窓オリーブ園の「幸福の鐘」。3回鐘を鳴らすと幸せになるといわれており、新たに「恋人の聖地」に認定された。日本のエーゲ海といわれるロマンチックな牛窓を訪れてみては?
牛窓オリーブ園は、「日本のエーゲ海」とよばれる牛窓の町並みと瀬戸内海を一望できる丘陵地に広がる。15ヘクタールに約2,000本のオリーブが栽培され、ここで採れたオリーブは食用や化粧用として利用されている。
園内に入ってまず目にするのが「赤屋根」と呼ばれる小ぢんまりとした建物だ。牛窓の風景に感動し、40年間牛窓を描き続けた画家、佐竹徳画伯がアトリエとして使っていたのだという。そこからオリーブの木々を抜ける遊歩道をたどっていくと、「ローマの丘」と名づけられた、古代ローマの神殿を思わせる石柱が並ぶ広場に出る。
さらに上るとオリーブ製品などが買えるみやげ物屋があり、その屋上に展望台がある。小豆島や豊島をはじめとした瀬戸内海の島々と、牛窓のヨットハーバー、海水浴場などが一望できる。この展望台のすぐ近くにあるのが「幸福の鐘」だ。3回ならすと幸せになれるといわれており、今年の7月1日に「恋人の聖地」に認定された。
「恋人の聖地」はNPO法人地域活性化支援センターが少子化対策と地域の活性化への貢献をテーマに進めているプロジェクトで、プロポーズにふさわしいロマンチックなスポットが「恋人の聖地」として認定される。選定委員には、ファッションデザイナーの桂由美さん、内閣府官房参与(前官公庁長官)の溝端宏さん、華道家の假屋崎省吾さん、千葉商科大学学長(元内閣府特命顧問)島田晴雄さん、タレントの早見優さんが名を連ねる。2012年4月1日現在、全国111カ所が恋人の聖地として認定されている。
このオリーブ園は、第二次世界大戦中の1942に、岡山有数の商家の服部和一郎が「オリーブは栄養もよく、薬用にもなり、灯火にもなり、自然も守る」と考えて、牛窓の丘陵地にオリーブ畑をつくることにしたという。ギリシャ神話や聖書には、オリーブの樹が平和や豊かさの象徴として登場する。現在、多くの人が訪れ、そして「恋人の聖地」としてさらに注目されているのも、オリーブの持つ力なのかもしれない。
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