厚生労働省は9日、「公的年金加入者の所得に関する実態調査」の結果を発表した。同調査は、2010年11月~2011年2月にかけて、無作為抽出した全国の世帯の中から、公的年金に加入している15歳以上の男女7万2,244人を対象に実施。年金の加入、受給状況と就業形態は10年11月末、年収は09年のものを調査した。
それによると、公的年金加入者の1人当たりの平均年収は297万円。加入種別に見た場合、第1号被保険者(以下、国民年金加入者)は159万円、第2号被保険者など(厚生年金・共済年金に加入する公務員など)は426万円、第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者など)は55万円となった。男女別では、男性が419万円、女性は166万円だった。
全体の年収別割合を見てみると、最も多かったのは「50万円以下」で22.3%。以下、「50万円以上100万円以下」が10.7%、「100万円以上150万円以下」が7.3%、「200万円以上250万円以下」が6.8%、「150万円以上200万円以下」が6.3%との順となった。また、「50万円以下」と回答した人のうち14.7%が「収入なし」であることが分かった。
男女別に見た場合、男性は「50万円以下」が最多で13.5%(「うち収入なし」9.0%)、次いで、「300万円以上350万円以下」と「350万円以上400万円以下」が同率で7.4%との結果に。女性もトップは「50万円以下」だったが、割合は男性より18.1ポイント多い31.6%(「うち収入なし」20.8%)となり、以下、「50万円以上100万円以下」が17.5%、「100万円以上150万円以下」が11.0%と続いた。
公的年金加入者の加入状況ごとに年収別割合を調べたところ、国民年金加入者の場合は「50万円以下」が最多で38.0%(「収入なし」24.6%)、次が「50万円以上100万円以下」の16.7%で、100万円以下が半数以上の54.7%を占めることが判明した。男女別に見た場合も「50万円以下」が最も多く、その割合は男性で35.7%、女性で40.4%に上った。
第2号被保険者については、トップが「250万円以上300万円以下」で8.6%。次いで、「200万円以上250万円以下」と「300万円以上350万円以下」が同率で8.4%、「350万円以上400万円以下」が7.9%となった。男女別では、男性が「350万円以上400万円以下」の8.5%、女性は「150万円以上200万円以下」の13.5%が最も多かった。
第3号被保険者では「50万円以下」が54.5%で最多となり、うち「収入なし」が37.5%を占めた。以下、「50万円以上100万円以下」が27.5%、「100万円以上150万円以下」が13.3%、「150万円以上」が4.7%と続いた。男女別でも「50万円以下」が最も多く、男性48.4%、女性54.6%だった。
【関連リンク】 世帯平均所得、1988年以降最低の538万円--平均所得以下の世帯割合も61.1%に |