厚生労働省はこのほど、女性労働白書「2011年版(平成23年版) 働く女性の実情」を発表した。それによると、2011年の岩手県、宮城県、福島県の被災3県を除く女性の「非正規の職員・従業員」の割合は、前年と比べて18万人増の1,188万人(54.7%)に上ったことが明らかになった。

2011年の女性の労働力人口は、前年より11万人減少した2,632万人。生産年齢(15~64歳)における労働力人口は前年比10万人減の2,419万人で、生産年齢における労働力率は前年と同率の63.0%だった。

女性の就業者数は前年比1万人増の2,523万人。一方、完全失業者数は前年より11万人減少した109万人で、完全失業率は同0.4ポイント減の4.1%となった。なお、男性の完全失業率は4.8ポイントで、男女差は0.7ポイントだった。

就業者数を従業上の地位別に見ると、雇用者数は2,237万人で、前年より8万人増加。雇用者総数(男女計)は前年比13万人増の5,244万人で、同総数に占める女性の割合は同0.1ポイント増の42.7%だった。

役員を除く雇用者数を雇用形態別に見た場合、「正規の職員・従業員」は前年比12万人減の985万人。一方、「非正規の職員・従業員」は同18万人増の1,188万人、ポイントでは同0.7ポイント増の54.7%と過去最高を記録した。また、「非正規の職員・従業員」の内訳は、「パート・アルバイト」が同18万人増の916万人、「労働者派遣事業所の派遣社員」が同3万人減の56万人、「契約社員・嘱託」が同11万人増の154万人、「その他」が同7万人減の63万人となった。

非正規の職員・従業員の割合の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

このほかの従業者の割合は、「家族従業者」が前年比3万人減の141万人、「自営業主」が同4万人減の134万人となっている。

女性一般労働者(常用労働者のうち、短時間労働者以外の者)の所定内給与額(決まって支給する現金給与額から、超過労働給与額を差し引いた額)は、前年比1.9%増の23万1,900円。このうち、正社員・正職員については同2.0%増の24万8,800円、正社員・正職員以外については同0.8%増の17万2,200円だった。

男女間の賃金格差(男性=100とした場合の女性の給与額)を見てみると、一般労働者が70.6(前年69.3)、正社員・正職員が73.3(同72.1)、正社員・正社員以外が77.5(同74.7)となり、前年より格差はわずかながら縮小した。

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