最近になって、米国リテールストアでのiMac 27インチモデルの在庫が急減、あるいは品切れ状態になっていることが報告されている。WWDC 2012のタイミングでiMacのアップデートが行われなかったこともあり、近いうちにIvy Bridgeを搭載した新型モデルが登場する可能性が囁かれつつある。
この件を報じているのはApple Insiderだ。それによれば、Best Buy、J&RのサイトでiMac 27インチ 3.1GHzモデルの在庫がなくなっており、残りごくわずかと表示されていたAmazon.comでの販売もほどなく終了したようだ。同時にMacMallの27インチ 2.7GHzモデルの在庫がゼロになっていることも確認できたという。Best Buyについては店頭在庫もない状態で、現時点で再入荷の告知がないこともあり、少なくとも現行モデルの販売は終了したとApple Insiderでは分析している。
だが、iMacの主要ターゲットの1つは教育市場であり、欧米では間もなく新学期シーズン(通称「Back to school」)が始まることから、各社は毎年7~8月ごろから新学期をターゲットとしたプロモーションを開始するのが通例となっている。AppleもMac購入ユーザーに100ドルのiTunesギフトカードを進呈する学生向けキャンペーンを今年も展開しており、このタイミングで主力商品の1つの在庫がなくなるのは不自然。それゆえに、この在庫切れが新モデル登場の兆候なのではないかという分析につながるわけだ。
現行のiMacは2011年5月に発表された「Mid 2011」モデルで、Sandy BridgeベースのIntelプロセッサを採用している。今年のWWDCのタイミングでは少なくともMacBook Pro/Air、Mac ProがIvy Bridgeまたは現時点での最新プロセッサへと更新されており、残されたiMacもまた更新時期が近付いているというのは多くが予想していることだ。その意味で次の動きに期待したい。なおこの新型iMacについてはプロセッサ更新以外の噂もあって、前述のApple Insiderでは反射防止ガラスを採用したモデルが投入されるという噂を紹介している。
その一方、PC Magazineでは、Digitimesが報じている「Retinaディスプレイを採用したiMacが10月に登場」というサプライヤ筋の話とNew York Timesの「Apple幹部がiMac新モデルは来年まで登場しないと説明した」という話を紹介している。これが事実ならば直近のiMac登場はないということになる。だが、Digitimesの報道の信頼性が必ずしも高くないことと、Apple自身が製品の将来計画について話すことはほとんどないということを考えれば、これらの情報をもとに現行モデルのアップデートがないと当分行われないと判断するのは早計かもしれない。