「OCEANUS」の最新・最上位モデルのモジュールを採用 !?

―― ワールドタイムの表現も変わったのですか ?

(岡本氏)「従来モデルでは、ワールドタイムモードのとき、秒針がずっと都市名を指していました。つまり、秒針としては機能していなかったんです。EQW-A1100では、秒針が普通に機能するようにしました。右上のボタンを押すとワールドタイムとホームタイムが一発で切り替わります。

また、右下ボタンを長押しすると、UTC(協定世界時)に。これは、世界各地への移動はUTCが基準になることから採用した機能です。電波時計ユーザーは、グローバルに移動する方も多いでしょうし、ボタンひとつでUTCにアクセスできるのは便利に感じていただけると思います。EDIFICEでは初のサマータイム自動設定機能も搭載しましたし、ワールドタイムは機能的にかなり充実したといえるでしょうね」

サマータイム自動設定機能とは、各タイムゾーンにおけるサマータイムの有無と期間が時計に記憶されており、該当期間のみサマータイムが自動で有効になる機能。海外で仕事や生活をする方には、非常に便利だ。さらに、EQW-A1100はスマートアクセスを搭載した電波ソーラーモデルとして、初めてTOUGHMVT(タフムーブ)を搭載。使いやすさとともに精度維持のための堅牢さも身に付けた。

EQW-A1100に採用されているモジュールは、基本的にOCEANUS Manta OCW-S2000と同じものだという

(岡本氏)「ムーブメントやスマートアクセスのシステムは、基本的にOCEANUSのモジュールと同じものです。つまり、OCEANUS Manta(マンタ)のOCW-S2000で実用化した技術があったからこそ、薄型にできたんですね。電波ソーラーウオッチの開発初期とはLSIの厚みも違いますし、マルチモーターやアンテナをはじめとする電子部品も圧倒的に小型化されています。EQW-A1000と比べて、文字板から下の部分でコンマ3mmは薄い。時計の設計においては、この差はかなり大きいですね」

スマートアクセスも、メカ接点を利用した電子式リューズスイッチでりゅうず部分が小型化された。これもOCEANUS MantaのOCW-S2000に搭載された技術だ。このあたりに関しては、OCEANUS Manta OCW-S2000に関するインタビュー記事も併せてご覧いただきたい。

このように、EQW-A1100には、プレミアムラインであるOCEANUSの最新・最上位機種のモジュールが贅沢に奢られているのである。となれば、もはやEQW-A1100を選ばない手はないではないか。

(荒井氏)「ただ、操作性については従来モデルのEQW-A1000のほうがいいともいえるのです。EQW-A1000のリューズスイッチはモードボタンを備えたプッシュ式なので、りゅうずをプッシュしてモードを変え、引き出して回して時間を合わせるだけで、基本的な操作が完結できるんですよ。デザイン的にもEQW-A1000が好きという人は少なくありません。優劣ではなく、好みやTPOで選んでほしいというのは、そういうことです」

バンドも駒から見直された。EQW-A1000(写真左)では一体の凸駒が使用されていたが、EQW-A1100(写真右)ではパーツ分けされた駒を使用。駒のエッジの立ち方が明らかに違う

EQW-A1100は、高級感あふれるムクバックルを採用しているのも嬉しいポイントだ

勧められて、EQW-A1100を腕に着けてみた。なるほど、強く存在感を主張するEQW-A1000とはまた違った、自然な装着感。そして、ユーザーのライフスタイルに合わせてくれる柔軟性を感じさせてくれる。この時計なら、年齢やファッションを問わず、すべての男性の腕に似合うのではないだろうか。それゆえ、プレゼントなどにも選びやすいだろう。

Basel World 2012で発表されたその他の新作も含め、今年のEDIFICEは幅広い魅力的なモデルが充実している。個性と機能を凝縮したEDIFICEワールドへの入り口としても、EQW-A1100はうってつけのモデルといえるだろう。