AppleがApp Storeの検索アルゴリズムをこのところ頻繁に変更していたことが話題になっている。例えば、先々週のある時点で突然、アプリ名によってとあるアプリを検索することができなくなっていたものが、先週末になって再び検索可能になるなど、短期間で大きく結果が変更されている。
この件を報告しているのは米TechCrunchで、AppCod.esのTomasz Kolinko氏が自身のBlog内で報告しているApp Storeでの検索エンジンの変更について紹介している。
Kolinko氏によれば、自身がApp Storeに登録している「Love Letter Writer」というアプリが、当該のキーワードの入力で検索結果に表示されなくなったという。Love Letter Writerには登録の際に「advice」というメタタグが含まれており、アプリ名または「Writing Advice」といったキーワードを入力するとこのアプリが検索結果に表示されるようになっている。ところが6月29日までの時点で、同キーワードを使ってApp Store内を検索すると、検索結果に「Love Letter Writer」が表示されなかった。例えば「Dunkin」という名称のアプリを「Donuts」というメタタグで登録した場合、従来であれば「Dunkin Donuts」のキーワードの検索でアプリが表示するようになっていたものが、この変更により不可能になったという。TechCrunchによれば、この現象はKolinko氏の報告の1週間前よりみられたという。
だが29日になってKolinko氏が再び同種の検索を試してみたところ、こんどは問題なく元の状態で検索結果が表示されたという。これにより、たとえば「Instagram Camera」の検索ワードで「Instagram」がランキング上位に正常表示されるようになったようだ。
TechCrunchの分析によれば、Appleはこの短い期間において、アプリ名やメタタグではなく、ユーザーのレーティングやアプリ内の説明等に比重を置いてランク付けを行うようにApp Storeの検索アルゴリズムを変更していた可能性が高いとしている。だが前述のように突然がらりと検索内容が変化する結果となり、短期間で再び見直しを入れたようだ。
これが示唆するのは、GoogleのようにAppleもまた検索システムにこまめに手を入れているということ、その結果としてユーザーや開発者が大きな影響を受ける可能性があるということだ。特に開発者は日々App Store内でのランキングを上昇させることに力を注いでおり、検索結果の上位に表示されるかどうかがビジネス上の死活問題となる。こうした変更は短いサイクルのうちにバックグランドで行われているとみられるので、今後も注視していく必要があるだろう。