米Appleがパブリックベータ版として提供していた文書ファイルのオンライン共有サービス「iWork.com」が7月31日にサービスを終了する。すでにサービスが終了している「MobileMe」も合わせ、同社では同サービスにアップロードしているデータのローカルディスクへのダウンロードまたはiCloudへの移行を早めに済ませるようアドバイスしている。

iWork.comは、iWorkで利用するファイル群をMacならびにiOSデバイス間でオンライン共有することを目的として提供されたサービス。だがAppleではオンラインサービスのiCloudへの一本化を計画として進めており、パブリックベータの扱いで提供されていたiWork.comもまた、その一環で短い歴史に幕を閉じることとなった。

「iWork.com」のWebサイト。7月31日のサービス終了を告げる大きなアイコンが表示されている

こちらは「iWork.com」の英語サイト。「News」として7月31日のサービス終了の告知が出ている

同サービス閉鎖の知らせはすでに数カ月前に利用者に対してメールで告知されており、期限となる7月31日までにオンラインファイルのローカルディスクへの退避するよう勧告している。これに関するヘルプも提供されているが、具体的な作業としてはiWork.comへログインし、共有ページからダウンロードをメニュー選択するだけだ。変換先フォーマットを指定できるので、iWork '09形式、あるいはMicrosoft Office形式、PDF形式を適宜選んでダウンロードすればいい。

MobileMeについてはすでに6月30日でサービスが終了しており、現在ではサービスにアクセスできない。だがAppleでは移行のためにしばらくの猶予期間を設けるとしており、データのダウンロードが可能だ。必要なユーザーはギャラリーまたはiDiskにアクセスして必要なデータをローカルディスクに保存しておくといいだろう。

6月30日をもってサービスを終了したMobileMe。しかしこの記事を執筆している7月4日の時点では、まだギャラリーおよびiDiskにアクセスしてデータをダウンロードすることができる

これもまた詳細はMobileMeのページに説明があるが、そのままiCloudへの移行が可能なものがある一方で、iWebのようにiCloud側に同様のサービスがないものもある。移行可能なものについては標準アプリケーションやiLife等を使って各サービスのデータをいったんローカルディスクへと退避した後、iCloudと同期させればよい。相当するサービスがないiWeb等についてはiCloudへの書き戻しができないため、別のホスティングサービス等を利用する必要がある。いずれにせよ猶予期間の終了まであまり時間はないと思われるので、まだデータの退避をすませていないユーザーは早めに作業を完了させておくことをお勧めする。