IDC Japanは4日、スマートフォン、メディアタブレットを含む国内モバイルデバイス市場の2012年第1四半期(1~3月)の出荷台数を発表した。

2011年から2016年までの国内モバイルデバイス出荷台数予測 出展:IDC Japan

それによると、国内スマートフォン出荷台数は、前年同期比68.2%増の655万台となり、2四半期連続で600万台超となった。同社ではスマートフォン需要が一般ユーザーにも広がりを見せ、大手通信事業者が販売奨励金を上積みする販売戦略を継続したことで、出荷増につながったとみている。

同期間におけるスマートフォン比率は、携帯電話総出荷台数の64.5%と高い水準にあり、OS別では、アンドロイドOS搭載のスマートフォンがシェア65.6%を占めた。

一方、メディアタブレット市場もスマートフォン市場と同様、大幅なプラス成長を記録。前年同期比204.4%増の64万台まで拡大した。

同社は急成長の要因として「実質ゼロ円」販売により需要が拡大したこと、LTE搭載のタブレット端末の登場により、先進ユーザー層から高い評価を得たことを挙げている。OS別では、同四半期においてiOSが全体の69.4%を占めた。

今後の見通しに関して、同社のPC、携帯端末&クライアントソリューション シニアアナリストの木村融人氏は、短期的に見てスマートフォン需要は引き続き好調を維持する可能性が高いとしつつも「半導体等の主要部品の供給不足からハイエンド端末の出荷が一時的に抑制される可能性がある。メディアタブレット市場においては、2012年後半に複数の低価格モデルが市場投入される可能性が高いため、市場拡大はさらに続く」としている。また、長期的な見通しとしては「スマートフォン市場は2016年に3,851万台にまで拡大する。メディアタブレット市場も同年には583万台に達する」(同)と予測している。