インテルは6月26日、定例記者会見「IAプレス・ミーティング」を開催した。Sandy Bridgeで立ち上がったUltrabookが、Ivy Bridge世代になり各メーカーからの製品展開も大きく伸張していることが確認された。UltrabookがモバイルPCのユーセージの転機になりうる可能性も改めてアピールされている。
同社代表取締役社長の吉田和正氏によれば、Ultrabookがひろく世間に公開されたのは、昨年台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2011での出来事だ。その年の8月には、IntelがUltrabook開発を促す基金の設立を発表し、2011年秋にはSandy BridgeベースのUltrabook製品の市場投入がはじまった。その当時のUltrabookは機種数が21機種、主に13型のコンシューマ向け製品のみといった状況だった。
そこから1年を経て、2012年6月にはUltrabook向けのIvy Bridgeが登場。2012年には世界中で110機種、ディスプレイサイズは11型から15型まで、さらにフォームファクタもクラムシェルにとどまらない、キーボード分離型やスライドディスプレイ型など多彩に。また、Intel vPro対応のビジネス向けUltrabookも登場するなど、ノートPCの新ジャンルとして地位を築きつつある。日本市場においても、ほとんどの主要メーカーが製品展開をはじめており、市場形成が急速に進んでいる。
会見会場では、国内向けの最新Ultrabookを数多く披露。国内では、ASUS、NEC、ONKYO、ドスパラ、ソニー、デル、東芝、Acer、日本HP、富士通、マウスコンピューター、ユニットコム、レノボ・ジャパンといった面々が、Ultrabookの製品展開をはじめている |
インテルは、Ultrabookでは、Ivy Bridgeによる高い処理性能が、薄型軽量のPC本体に収まっていることで、ユーザーのPCの使い道においても、これまで以上の体験を得られると説明している。同社マーケティング本部長の山本専氏と、技術本部長の土岐英秋氏が、Ultrabookの使い道の進化の例として、あるユーザーが「Ultrabookを相棒に日帰り旅行に出かけたら」というシナリオで紹介した。
旅行の移動中というシチュエーション。スマート・コネクト技術によって、対応アプリケーションなどを通した非利用中の情報更新ができるようになった。現地到着したころには、無駄なく最新の情報が取得済みという寸法だ。最新の携帯ゲーム機などの、いつのまにか通信し、情報更新するものに似ている |
そのシナリオでキーとなったテクノロジ的なポイントは、高速レジュームと長期間スタンバイの「インテル ラピッド・スタート・テクノロジ」(Intel RST)と、インターネットアクセスの利便性を向上する「インテル スマート・コネクト・テクノロジ」、ハイブリッドストレージの「インテル スマート・レスポンス・テクノロジ」(Intel SRT)、そして、あらゆる場面で発揮されるIvy Brideの処理性能の4点だ。