産業能率大学は、1990年度から毎年行われている新入社員の意識調査の結果を発表した。その結果、全体の2割超が「最終的に目指す地位は部長クラス」と回答。さらに女性新入社員の回答では「将来は管理職に」が過去最高を記録するなど、今年の新入社員の意欲・意識の傾向が示された。調査は3月28日~4月11日、同大学・産能マネージメントスクール主催の「新入社員研修セミナー」に参加した150社・550人(有効回答514人:男性356人・女性158人)を対象に行われた。

(上)将来の進路の希望(下)「管理職志向」の推移

将来の進路を尋ねたところ、「管理職志向」が48.1%で、前年度と同率で過去最高だった。「専門職志向」は41.7%で、依然として4割を超えているものの、過去最低の割合だという。

男女別にみると、男性新入社員は管理職志向が56.8%で、過去最高だった前年から0.1ポイント減少したものの高止まり。女性新入社員は、専門職志向が依然として6割を超えている一方、管理職志向が3割弱に達して過去最高に。自身のキャリアの見通しにおいて、管理職を志向する人が増えてきているようだ。

働きはじめるにあたって、「早く戦力になって会社に貢献したい」と思うか、「地道にコツコツ働きたい」と思うかを二者択一で尋ねたところ、「早く戦力になって会社に貢献したい」が58.7%でおよそ6割を占めた。これは09年度と11年度にも尋ねており、この中では最高に達しているという。最終的に目標とする役職は「地位には関心がない」を除くと「部長クラス(22.9%)」がトップで、初めて2割を超えた。

また、定年退職に適した年齢を尋ねた結果、もっとも多いのは「65歳」で48.7%。「60歳」と「65歳」をあわせた"65歳以下"の割合は80.6%と過去最高に達した。一方で「定年なし(働きたければいつまでも)」は15.7%で過去最低の結果となった。

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