先日、米サザビーズ(Sotheby's)が「Apple I」をニューヨークで競売にかけていたことを報じたが、これが当初想定の12~18万ドルを大幅に上回る37万4,500ドル(約3,000万円)で落札されたことが判明した。Wall Street Journalなどが15日(現地時間)に報じている。なお電話で競売に参加した落札者のプロフィールは明かされておらず、最後は2人が競り合う形での決着だったという。

Apple Iのオークション情報ページ

Apple Iは1976年に「世界初の完成品コンピュータ」として666.66ドルで売り出され、瞬く間に完売するヒット商品となった。現在では完動する製品が世界でわずか6台だけという貴重品となったが、2010年にクリスティーズでオークションにかけられた際には13万3,250ポンド(約21万ドル)と、およそ発売時の300倍程度の値段まで跳ね上がったことが確認されている。今回のサザビーズの結果では、それをさらに上回る37万ドル強の価格がついたわけで、コレクターアイテムとしては非常に貴重なものであることがわかる。

なお、同じタイミングで出品されていた故Steve Jobs氏がAtari在籍時代に記した直筆メモも落札されており、こちらは1万~1万5,000ドルの想定価格に対し、2万7,500ドル(約220万円)の落札価格とやはり大幅に値上がりしている。昨今、オークションで取引される絵画等の価格が急上昇しているという話も聞くが、落札価格の大幅上昇は骨董品バブルという側面のほか、Jobs氏自身の業績が評価された結果であると考えてみたい。

Jobs氏のメモのオークションページ