シャープは18日、都内で2012年スマートフォン新製品説明会を開催した。同説明会では、同社のスマートフォン共通開発思想「Feel Logic」について発表。そのなかで、スマートフォン向けユーザインタフェース「Feel UX」などが新たに公表された。
「Feel Logic」とは?
シャープ製スマートフォンを語る上での重要なキーワード、それが今回公表された「Feel Logic」だ。「次のシーズンに向け、『Feel Logic』を受け継ぎながらグローバルな展開を図っていきたい」(河内厳通信システム事業本部グローバル商品開発センター副所長兼プロダクト企画部長)としており、今後のシャープ製スマートフォンを占う上でもキーになりそうだ。
「Feel Logic」は知識と技術を結集し、無機質なスマートフォンを人の感性に近づけるための「心遣い」を追求していくとする同社の共通開発思想。キーワードには、3つの要素を含んでおり、直感的な使用を可能にする「Feel Operation」、きめ細やかな技術で快適さを提供する「Feel Meister」、ユーザーに新たな体験を提供する「Feel Creation」で構成される。以下、各要素について、今回の説明会で発表された内容についてリポートしていこう。
「Feel Operetion」の中核は新たなユーザインタフェース
直感的な操作を可能にする「Feel Operation」は、新ユーザインタフェース「Feel UX」が中核になるという。これは米frog社と共同開発したもので、ロック画面の「ウェルカムシート」、トップ画面の「3ラインフォーム」を特徴とするユーザインタフェース。「ウェルカムシート」では、任意の写真を最大5枚まで壁紙として設定可能なほか、同画面からカメラ、電話、メールを素早く起動できる。また、時刻、天気、株価などの情報も表示する。
トップ画面にあたる「3ラインフォーム」は、アプリアイコンを一覧表示する「アプリケーションシート」、簡易アプリを表示する「ウィジェットシート」、ショートカットアイコンを並べた「ショートカットシート」の3枚で構成。各シートを切り替えることで、任意の情報を容易に引き出すことができる。
「Feel Meister」とその具体例
「Feel Meister」は匠の技のようにきめ細やかな技術でユーザーに快適さを提供する要素。その具体例としては、すでに実装されている、バッテリーの消費を抑える「エコ技」機能のほか、シャープ独自の文字入力や辞書活用の行える「文辞技」機能、ソフトバンク104SHで搭載されたタッチ操作のチューニング技術「ダイレクトトラッキング」などで実現しているという。
「Feel creation」とその具体例
「Feel creation」はユーザーに新たな体験を提供する要素になる。説明会では、カメラのHDR撮影への対応、約0.4秒でのカメラの起動を可能にしたと発表された。また、国際標準規格sRGB基準のナチュラルカラーモードを開発、ディスプレイの特性による色彩の違いを解消し、端末上で表現される色を実物に近づけるチューニングも行ったという。
さらに、「Feel creation」には、スマートフォンを核としてAV機器、家電製品、健康環境との連携を深めることで、新しいライフスタイルの提案を行っていくことも盛り込まれている。
その具体例として、スマートフォンの画像をテレビに転送したり、レコーダーで録画した番組を視聴可能にする「スマートファミリンク」、放送中の番組に関するツイート数で盛り上がり度を確認する「おしえてリモコン」、掃除や外出先から家の様子を確認できるロボット家電「COCOROBO」などを紹介。また、ソフトバンクモバイルから発売される放射線センサ搭載のスマートフォンも事例として挙げられた。
そして今回新たに発表されたのがNTTレゾナントと、エー・アンド・デイとともに共同開発した健康管理サービスの「gooからだログ」。このサービスでは、体組成計とパソコン、スマートフォンを連携させて健康管理を行うことができる。
対応の体組成計で測定した体重、体脂肪、筋肉量、血圧などの健康データを、パソコン、スマートフォンで自動収集し、体脂肪などのデータを記録。その推移をグラフ化して端末上に表示することで、ダイエットや健康増進に役立てることができるとしている。このなかでシャープはスマートフォン向け専用ミドルウェア「SHヘルスケアインターフェイス」を提供している。
(記事提供: AndroWire編集部)