ナナオは14日、IPSパネルを採用したエンターテインメント指向の23型ワイド液晶ディスプレイ「EIZO FORIS FS2333」を発表した。7月13日より発売し、価格はオープン。直販サイト「EIZOダイレクト」の販売価格は39,800円。
従来モデル「FORIS FS2332」の後継となり、ゲームや映像/写真鑑賞、Web動画といった個人のエンターテインメント用途に向けた新モデル。
主な仕様は、画面サイズが23型ワイド、解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、画面がノングレア(非光沢)、輝度が250cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1(コントラスト拡張有効時は最大5,000:1)、中間階調の応答速度が3.4ms、視野角が水平/垂直とも178度。最大表示色は約1,677万色で10bitルックアップテーブルを備え、ナナオのカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」(オプション)に対応。
映像入力インタフェースは、HDMI×2、HDCP対応DVI-D×1、D-Sub×1。アナログ音声入力はステレオミニジャック×1、アナログ音声出力はラインアウト(ステレオミニジャック)×1、ヘッドホン出力×1。本体には500mW+500mWのスピーカーを内蔵する。
スケーリング機能は、ノーマル(ドットバイドット)、拡大(アスペクト比保持)、フルスクリーンの3通り。消費電力は最大42W、標準22W、説電磁0.4W以下(スピーカー非動作時)、待機時0.3W以下(2時電源オフ時)。VESAマウントは100×100mm。本体サイズはW545×D200×H390~450mm、重量は約5.4kg。
独自開発の新世代映像プロセッサを搭載することで、表示遅延が0.05フレーム未満(入力フレームレートや表示解像度で異なる)、オーバードライブ有効時の応答速度(中間階調)が3.4msというスムーズな画面表示を実現している。
スタンドも新しくなり、スウィーベルと高さ調整ができるようになった。可動範囲は、チルトが上25度、スウィーベルが左右172度、高さ調節が60mmだ。そのほか、背面下部にケーブルホルダー、背面上部に簡単なハンドルを設けている。
側面(写真左)と背面(写真中央)。背面下部には丸いケーブルホルダーがある。背面上部のハンドルは、欧米のゲームユーザーから要望が多かったとのこと。ゲーム大会などに、自分のPCとディスプレイを持参して参加するゲーマーが多いそうだ |
暗い部分を自然に見やすく補正する新機能「Smart Insight」
新たな高画質機能として、暗部の視認性を向上する「Smart Insight」を搭載した。単純な明暗調整やガンマ調整ではなく、ピクセル単位で輝度を調整することで、画面全体の白浮きやコントラスト低下を押さえつつ、発色も保ったままで暗部を明るくできる。無効を含め6段階の強度調整が可能。画面モード「Game」では、RTS(Real Time Strategy)向けのLow/Medium/High、FPS(First Person Shooting)向けのLow/Medium/Highという6通りの強度選択となり、「Game」モード以外の画面モードよりも強い補正を用意している。
FORIS FS2332でも実装されていた超解像技術「Smart Resolution」、動画検出技術「Smart Detection」(FORIS FS2332では「動画領域補正」)も継承。Smart Resolutionは、表示データに含まれる「ノイズ」や「ぼやけ」の成分を詳細に分析し、ぼやけ成分のみに超解像処理を適用する機能だ。ノイズの不自然な強調を防ぎ、例えば風景や建造物などには超解像処理、人肌や文字は元データのままといったように、自然な見た目で解像感を高める。一方のSmart Detectionは、画面内で動画を表示している部分を自動的に検出し、動画の部分だけに上記のSmart InsightやSmart Resolutionを適用する機能だ。
逆光で黒つぶれした写真なども、暗部を自然に明るく表示できる。ピクセル単位で輝度を調整し、RGBバランスは保つため、発色は変わらない。Smart Insightはディスプレイ内部のハードウェア処理なので、フォトレタッチする場合はSmart Insightを無効にして、通常と同じようにソフトウェア上で画像を調整する |