『ブラザーズ・グリム』、『エバー・アフター』、『赤ずきん』など童話に新解釈を加えた洋画がこれまでもいくつか公開されているが、6月15日(金)から“戦う白雪姫”をテーマにした『スノーホワイト』が上映となる。雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪を持つ、世界で一番美しく、そして戦うプリンセスを描いた本作の見どころを編集部のMが紹介する。

魔法の鏡がスゴイ!

スノーホワイト

絵本やアニメーションで見たことがある、白雪姫の継母の女王が「この世で一番美しいのは誰?」と問いかける鏡と言えば、壁掛けタイプの楕円(だえん)形のものを思い浮かべる人も多いのではないか。しかし、『スノーホワイト』に登場する魔法の鏡はその印象をくつがえすもの。鏡と縁の境界もない、丸い金色の巨大な、そうまるで大皿か銅鑼(どら)のような鏡なのだ。そして王妃が「鏡よ、鏡」と問いかけると、表面が液状になり、どろ~んと溶け出してくるのである。しかも人のような形になり、それはまるで『ヴィドック』という映画に登場する殺人鬼のような風貌。これはなかなか見応えがある。

ちなみにこの鏡の人は“ミラー・マン”とスタッフ陣は呼んでいて、アイルランド人の芸術家ケヴィン・フランシス・グレイの「Face-Off」という作品にヒントを得て作り出したそうだ。

トワイライトと同じく三角関係!?

ハンターのエリック

今回、主人公のスノーホワイトを演じたのは、ヴァンパイアと人間の運命の恋を描く「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。「トワイライト」ではヴァンパイアのエドワードと恋に落ちつつも、幼なじみの狼男ジェイコブとの急接近もあり、ティーンエージャーのテンションをあげるようなドキドキの三角関係が展開されていた。そして本作でも、スノーホワイトを助ける二人の男性が登場する。一人は男気たっぷりのハンターのエリック、もう一人は弓の名手の貴公子ウィリアム。ウィリアムとは幼なじみということもあり、年齢も近くまさに美男美女カップル。一方のエリックとは年も離れていそうだし、まさかこの二人がと思うが後半に「おやおやおや」と思うエピソードが登場する。

恋愛面にフォーカスした作品ではないが、クリステン・スチュワートが「トワイライト」シリーズのヒロインであったことを考えると、この配役と設定は絶妙。3人の心の動きに注目しても楽しめそうだ。

期待通りのシャーリーズ姉さん

シャーリーズ・セロン

映画の中で注目されるのはもちろんヒーロー、ヒロインだけではない。クリストファー・ノーラン監督の新・バットマンシリーズの『ダークナイト』では、宿敵のジョーカーを演じた故ヒース・レジャーに注目が集まった。役者が完璧にその悪役をものにすると、それは時として主役をおさえるほどの存在感を放つ。今回、白雪姫 - スノーホワイト - の美しさに嫉妬し、永遠の若さのために彼女の心臓を狙う女王に扮(ふん)したのはアカデミー賞で主演女優賞も獲得したことがあるシャーリーズ・セロン。主演女優賞を受賞した『モンスター』同様、素顔に近い姿を見せたかと思えば、金切り声をあげたり、老婆のような顔になったりで、この悪役になりきっている。

そんな抜群の存在感のシャーリーズ姉さん演じる女王のダークサイドな一面が色濃くなっていく後半、ある衣装が登場する。それはカラスの外套(がいとう)。女王をとりまくカラスが彼女と一体化し、全身を覆った実に不思議な衣装なのだ。そして実際、トリの羽を一枚ずつ手作業で形を整え、縫い付けて作られている。その結果、2万ポンドがこの衣装にかかったという。シャーリーズ姉さんの演技はもちろん、オートクチュールのこの衣装もぜひチェックしてほしい。

以上三つの観点から見どころを紹介したが、いかがだったろうか。気になった方は映画館へgo!

映画『スノーホワイト』は 6月15日(金)TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー

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