米最大手キャリアのVerizon Wirelessは6月12日(現地時間)、「Share Everything Plan」を発表した。これは最大10台までのデバイスで音声通話/SMS/データ通信の料金プランを共有できるもので、例えば2台以上のスマートフォンやモバイルルータを所持するユーザーが個別に従量制のデータ通信プランを契約せずとも、1つの料金プランで月あたりのデータ通信帯域を複数デバイス間で共有できるため割安となる。昨今、家族間や1人のユーザーが複数デバイスを所持するケースが増えており、それに対応した施策となる。

詳細はVerizon Wirelessのプレスリリースにあるが、下表のような料金体系となる。

Step 1 Step 2
月間基本回線(デバイスごと) 共有通話時間 共有SMS数 共有データ容量 月間料金(最大10台)
スマートフォン(40ドル)/フィーチャーフォン(30ドル)/USBモデムやノートPC等(20ドル)/タブレット(10ドル) 無制限 無制限 1GB 50ドル
無制限 無制限 2GB 60ドル
無制限 無制限 4GB 70ドル
無制限 無制限 6GB 80ドル
無制限 無制限 8GB 90ドル
無制限 無制限 10GB 100ドル

まずStep 1で自分が所持するデバイスすべてに対する基本料金を月額ベースで支払い、次にStep 2にあたる共有料金プランを選択する。例えばスマートフォンを2台、USBモデムを1台、タブレットを1台所持するユーザーであれば、40×2+20×1+10×1=110ドルが月月の基本料金となり、それに上限で4GBで運用するケースなら70ドルの重量課金分をプラスして、合計180ドルが月額の支払い額となる(税金や追加チャージ分を除く)。個々の最低料金プランを選択した場合のおよそ3分の2程度の料金になるとみられる。

Verizon Wirelssは過去に「米国内でのデバイス普及率500%を目指す」と語ったことがある。この表現は誇張だとしても、携帯普及率が100%に近付いてすでに飽和状態にある米国において、さらなる売上増を目指す手段の1つが「1人あたり複数のデバイスを所持」することであり、こうしたユーザーを優遇する施策は携帯キャリアにとって重要だ。所有デバイス数が多ければ多いほどShare Everything Planによる恩恵は大きく、今後他のキャリアにとっても指針となるだろう。同社最大のライバルであるAT&Tの出方が気になるところだ。