韓国Samsung Electronicsが「TecTile」と呼ばれるNFCタグ製品を発売した。これは内容の書き換えが可能なプログラマブルなNFCタグ製品で、あらかじめデータを書き込んでおくことにより、NFC対応スマートフォンをタグに近付けることで「音楽プレイヤーを起動する」「特定のWebページを開く」「店舗にチェックインする」といった動作をワンアクションで実行できるようになる。
これは以前にソニーが発表した「Xperia SmartTag」に類似したもの。SmartTagがストラップホールを備えたアクセサリ的なデザインなのに対し、TecTileは貼付タイプのステッカーの形状になっている点で特徴がある。デスクやオブジェクトに貼付したり、あるいは名刺に貼付して持ち歩いたり、さらには店舗入り口に貼ってForsquareやFacebookのチェックインに利用してもらったりと、生活空間にタグを貼付して広く活用してもらうことを想定している。
使い方は簡単で、NFC対応スマートフォンにタグを近付けた状態でTecTileアプリを起動して書き換えを行うだけだ。あとはプログラムされたTecTileをNFC対応スマートフォンに近付けるだけで、タグの内容に応じたアクションが実行される。価格はSmartTagが1セット(4個)あたり12.99ポンドなのに対し、TecTileは1セット(5枚)あたり14.99米ドルとなっている。1枚あたり3ドル(約240円)と決して安いわけではないが、ちょっとした遊びやプロモーションに活用してみると面白いだろう。なお、タグの書き換えは何度でも行える。
市場で販売されているNFC対応スマートフォンの数はそれほど多くなく、まだまだ普及の途上にあるといえる。一方でSamsungはNFC対応を積極的に行う数少ないベンダーの1社であり、実際同社のGalaxyシリーズ携帯の多くにNFC機能が標準搭載されている。NFCタグは同技術活用の幅を広げるソリューションの1つとして注目を集めているが、一方でまだまだ単価が高く、それがネックとなっている。各社各様にNFC普及方法を模索する姿が見られて興味深い。