花王が運営する「血めぐり研究会」は、「梅雨不調」に関する調査を行った。同調査は、2月に1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)在住の20~64歳の女性930名(各年代186名ずつ)を対象に実施された。
女性の6割が、「梅雨不調」を感じている
梅雨時の不調の症状は、1位が「だるさ」(30.2%)、2位「肩こり」(22.6%)となった。さらに、入梅から梅雨明けまでの約2カ月間ずっと「梅雨不調」を感じ続けている女性は、約3割に上る。2011年の関東地方の梅雨は、5月末から7月10日までとなっており、平年と比較すると長い梅雨となっていた。
「梅雨不調」の二大要因は、「身体のだるさ」と「肩こり」
同研究会代表である東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニック所長・川嶋朗氏は、「入梅前および梅雨時は、低気圧配置により副交感神経が優位になり、多くの人が『だるい』『やる気がでない』といった症状を感じやすく、活動量が減ることで『血めぐり』が悪くなる」と語る。
気圧の低い状態は、炎症物質(発痛物質)であるヒスタミンの分泌が多くなると言われており、そのため、肩こり、片頭痛、腰痛などがひどくなる人も増加。また、ヒスタミンは身体を緊張させる交感神経を刺激するため『ストレス』を感じやすくなり、末梢血管が収縮し、手足の先の冷えにつながるという。
不調の連鎖を断ち切るために、「あたため」と「肩ほぐし」が有効
同研究会では、梅雨不調を解消するため「こまめに身体を動かす」、「こまめに温める」、「こまめに衣服で調整する」の3つを提唱している。
■「こまめに身体を動かす」
外に出られず運動不足になったり、同じ姿勢でパソコンワークを続けたりすると、首と肩の筋肉を緊張させ、硬くなった筋肉が血管を圧迫し、血のめぐりを悪くする。筋肉に栄養や酸素が運ばれず、排出されるべき老廃物や発痛物質がたまってしまい、肩こりの原因に。肩こりを和らげるために、こまめに(目安は1.5~2時間に一度)身体を動かすことが重要となる。
■「こまめに温める」
「肩」「首」「腰まわり」「太もも」「二の腕の裏側」「ひざの裏」などは、血管が密集していたり、大きな筋肉があることから、効率的に身体全体を温めることが可能。特にこりのひどい肩には、肌に直接貼ることができる「温熱シート」が有効。40℃くらいの温熱(蒸気を伴った熱)により、熱をじんわりと身体の奥まで届けることができるので、血のめぐりを良くする。
■「こまめに衣服で調整する」
梅雨の時期は、気温の温暖差が激しかったり、雨に打たれた時に身体を冷やしてしまう。体温調整が簡単にできる、薄手のカーディガンやストールを常に携帯したり、かさばらない温熱シートをバッグの中に常備しておくことが推奨されている。
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