COMPUTEX TAIPEI 2012のEnermaxブースをレポートしよう。
Enermaxも簡易水冷キットに参入する。「EL C120」は12cmファン1面サイズのラジエータを組み合わせた製品。同社の主張では、同じサイズでも他社製品よりよく冷えるとのこと。まず既にファンとしてはお馴染みの同社「T.B.Silence」を採用する。フレームの側面に同社ロゴを切り抜き、周囲からも空気を取り込むことで静音と風圧を高める効果があるという。また、ヘッド内部の冷却液が流れる部分にくぼみも設け、これが冷却液の流れを妨げることで、そのまま流れるよりもわずかに長い時間居座ることになる。それにより、熱交換の効率が高まるとのことで、特許も取得したと言う。
緑のグラフがEL C120のもの。スタートの温度が違う点を考慮する必要があるが、緑のラインはファンの回転開始後、他の製品よりも急角度で温度が低下するようだ。ファンの回転数自体は他社より高めではないかと言うが、搭載ファンのT.B.Silenceは高回転でも静音性に優れるため問題ないとのこと |
ヘッドの内部にくぼみを設けている。冷却液は上から下へ流れるイメージで、くぼみ部分で一度澱むことになる |
その効果を説明する展示。写真右側が同様の構造を再現したもので、一度澱むことで滞在時間をわずかに長くし、その間のぶん熱交換の効率が高まると主張する |
実装デモ機。ホースも、蒸発しにくい素材を用いているとのこと。リテンションも他社とは若干異なるデザインだ。ラジエーターは比較的薄め |
同じ熱量を加えられるという特製デモ機では、温度計によるライバル製品との冷却性能比較を行なっていたが、そのグラフではポンプの動作開始後、他社製品よりも短時間で温度が低下する結果となっていた。12cmファン1面のEL C120のほか、2面サイズで冷却性能を高めた「EL C240」も予定されている。
電源では80PLUS Platinumでかつ1700Wという超大出力電源「Platimax」が展示されていた。現行で80PLUS Platinumの1200Wモデルまでは同社から登場しているが、それを上回る大容量の80PLUS Platinum電源となる。
ATX24ピンを含む全てのケーブルが着脱式のフルモジュラーで、スタッフによれば100Vでも1700W出せるとのこと。1700Wという出力、フルモジュラーと、どちらも高効率化にとっては障害となるものだ。同社はこれをFMQデザインによって解決したと言う。FMQデザイン自体は1200Wモデルでも採用されていたもの。あまり詳しい内容は解説されなかったが、トランスの磁気エネルギーによってスイッチングの効率を高めるとのことだ。