SAPPHIREは南港展覧館の一室において、関係者向けに新製品を展示していた。

SAPPHIREの会場はこちらの404会議室だった

部屋に入ると「VID-2X」を6つ使った12画面システムがお出迎え

根強い人気があるファンレスグラフィックスカードでは、「HD 7770 Ultimate 1GB」に注目したい。同社はすでに、Radeon HD 7750搭載のファンレスカードを発売しているが、この新モデルは上位GPUであるHD 7770を搭載する。発売日は未定だが、国内での販売も予定しており、時期は7月以降になる見込みだ。

ファンレスながらRadeon HD 7770を搭載する「HD 7770 Ultimate 1GB」

裏側から見ると良く分かるが、基板形状はちょっと変わっている

ファンレスモデルでは発熱を抑えるため、動作クロックが通常よりも落とされていることも珍しくないが、このモデルのコアクロックは1,000MHzと標準のまま。VGAクーラーは長さがあり、基板の裏側にも若干はみ出しているものの、リファレンス通り2スロット厚となっているので、大きな制限なく利用できる。

そして今回の大本命、同社グラフィックスカードの最上位モデルとなるのが「HD 7970 6GB Vapor-X」である。VAPOR-Xクーラーを初めて搭載するRadeon HD 7970カードで、メモリは通常の2倍(6GB)という豪華仕様。8フェーズ電源回路や12層基板も採用しており、オーバークロック時にも安定した動作環境を提供する。

Vapor-X搭載モデルがついに登場。カードは3スロット厚となるようだ

カードの裏側は全面を覆うサイズのプレートでカバー

デュアルBIOSになっており、ブーストボタンを押すと、コアクロックは925MHz→1,100MHzへ、メモリクロックは5.5Gbps→6.0Gbpsへと、速度が大幅に向上する。基板の裏側にあるLEDで温度も分かるようになっており便利だ。

デュアルBIOSの切り替えは従来のDIPスイッチではなく、この目立つプッシュスイッチに

6つのLEDで基板温度が分かる。点灯が1つなら25℃、2つなら35℃と、10℃ずつ増加。6つ全部点灯なら75℃だ

もう1点、興味深かったのが、同社初だというCPUクーラーのプロトタイプ。これは同社グラフィックスカードで定評のあるVAPOR-X技術を採用したものとのことで、冷却性能は期待できそうだ。ただ、発売時期や詳細なスペックなどは不明となっている。

動作デモも。サイドフロー型で、両サイドに12cmファンを搭載していた

CPU接触面がVAPOR-Xのはず。熱を効率的に伝搬させるのが特徴だ