6日、空調総合メーカーのダイキン工業は、「エアコンの節電対策実証試験」でエアコンの消費電力を15%カットする方法を、新宿にて発表した。

「エアコンの節電対策実証試験」の発表の様子

節電をするならリビングのエアコン

同社が主婦100名を対象に行った調査によると、昨年に引き続き各家庭の節電意識は高いという。東京では「昨年の夏以上に節電をする」という家庭が85.4%、大阪では90.9%と多く、それぞれ28.29%、25.10%の使用電力の削減を目指していることがわかった。

「今年の夏、自宅で節電しますか?」に対する回答結果

「節電によって、使用電力の何%削減を目標にしますか?」に対する回答結果

また、節電対象は75.5%の家庭が「リビング・ダイニング」と回答。家族が集まる場所であるため、消費電力量の高いエアコンを長時間稼働させなければならないことが背景にあるようだ。

「自宅で節電したいと思うのは、何に使用する電力ですか?」に対する回答結果

具体的に各家庭で行われているエアコンの節電方法は、「使用時間を短くする」、「設定温度を高めにする」などがトップに。 しかし、こうした方法は「暑さを我慢しすぎて体調を崩す」といったトラブルを巻き起こしたり、また「高齢者や小さな子どもがいるので、そもそもエアコンの使用を控えることができなかった」といった問題があるという。

そこで、ダイキン工業では、涼しさを保ちながら無理なく節電する方法を提案。 今回は三軒の家庭協力のもと、「フィルター掃除」、「室外機対策」、「日射遮蔽」、「2℃高め」の4つの節電対策によって、どれほど消費電力を抑えることができるか、10日間の実験を行った。

4つの節電対策

■フィルターをこまめに掃除して風量アップ

同社が提案する一つ目の節電対策は、エアコンフィルターの掃除である。2週間に一度掃除するだけで約5%の消費電力量の削減につながるという。また、フィルターに付着したホコリなどがなくなるため、風量も1.5倍に。

一年間掃除をしなかった場合、消費電力量は約25%もアップ

■室外機の周りにはモノを置いてはいけない
二つ目の節電対策は、室外機の周りにモノをおかないこと。室外機は部屋の中の熱を外に出す働きをするため、この周りにモノがあると効率よく熱を排出できないばかりか、熱が部屋の中に逆流してしまうため、注意が必要だという。

室外機の上、前、横にはモノをおかないこと

■カーテン、遮熱フィルムで部屋を涼しく!
また、カーテンで日差しを遮ることも、部屋の温度を涼しく保つためには有効であるという。室内の明るさを保ちたい場合は、外が透けて見える遮熱フィルムも効果的で、そのほか"よしず"を立て掛けたり、ゴーヤをベランダで育て、葉っぱで日差しを遮ったりするのもオススメだ。

サーモカメラで見ると、床の温度差にかなりの違いが

■エアコンの設定温度は28℃に
また、涼しさと節電を両立させるためにエアコンの設定温度を28℃にすることが推奨されている。エアコンの設定温度は、1℃上げる度に消費電力を約10%削減することが可能。

ただし、体調を崩している時は熱中症になる可能性があるため、無理せずに設定温度を下げることが望ましいという。

28℃でも、風を当てると涼感アップ

節電対策の結果、一日の消費電力量を約15%削減

今回ダイキン工業が行った節電実験の結果、エアコンを10時から16時までの6時間稼動させた場合の一日の消費電力量を、2.6kwhから2.2kwhへ約15%削減することに成功したという。

今年の夏、暑さを我慢しない節電方法を試してみてはいかがだろうか。

一日の消費電力量を約15%削減

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