ジャパンネット銀行は7日、スモールビジネスの顧客向けに、ワンタイムデビット(正式商品名:JNBカードレスVisaデビット、以下ワンタイムデビット)のサービスを開始したと発表した。同社によると、ビザ・ワールドワイド・ジャパンが提供するVisaデビット商品では、日本初のビジネス向けサービスとなる。

ジャパンネット銀行代表取締役社長の小村充広氏

ワンタイムデビットは、カード番号使い切りのVisaデビットサービス。世界中のVisaマークのあるネットショップ(一部を除く)で利用することができる。プラスチックカードはなく、利用の都度顧客自身で、16桁のカード番号、有効期限、CVV2(セキュリティコード)をジャパンネット銀行のホームページから発行。利用代金はジャパンネット銀行の顧客口座から原則として即時に引き落としされる。

今回同社では、スモールビジネスの顧客向けにワンタイムデビットのサービスを開始。東京都で、同サービス開始についての発表会を行った。

発表会では、同社代表取締役社長の小村充広氏が登壇。小村氏によると、米国では、クレジットの取り扱いよりも、デビットの取り扱いのほうが、取扱高・取扱件数ともに多く、スモールビジネス向けカード市場においても、2009年の景気後退期においてスモールビジネス向けクレジットは取扱いが減少したが、デビットカードは一貫して成長を持続したという。

米国でのスモールビジネス向けクレジット・デビットの成長トレンド(Visa、Mastercard合計)

また、日本のスモールビジネスの事業主は、与信がハードルとなり、会社としてもオーナーとしてもクレジットカードが持てないケースも多いという。そうした背景もあり、ジャパンネット銀行が2011年に行ったアンケート調査では、スモールビジネスを行っている事業者の約半数(47.2%)が、ワンタイムデビットに「興味がある」と回答した。

小村氏は、そうしたスモールビジネス向けに「ワンタイムデビット」を提供することについて、「社会的意義がある」と強調。世界中のVisaのネットワークを活用し、商品仕入れや事務用品の購入、PC等家電の購入などに活用できるとし、地方の中小企業などを含め、「日本経済活性化のためにも、ワンタイムデビットを日本に広げていきたい」と抱負を述べた。具体的には、スモールビジネスの潜在的需要が400万程度あるとし、「その1割には、スモールビジネス向けワンタイムデビットを使ってもらえるのではないか」と話していた。

スモールビジネス向けワンタイムデビットでは、1カードあたりの利用限度額が、個人・営業性事業主の10万円に比べ、30万円と拡大。ただし、利用の前提となる口座申込みの際は、謄本などが必要となるとしている。

スモールビジネス向け「ワンタイムデビット」サービス概要

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