フューチャー・デザイン・ラボは、外国人留学生の就職活動における意識や実態を把握するため、日本の大学に在学中の外国人留学生を対象にアンケート調査を行った。調査は2012年1月9日~3月31日に、インターネット及びアンケート用紙によって行われた。対象は全国の大学、大学院に在学中の外国人留学生で、回答者数は文系296人、理系70人の計366人。
約4割が5~10年以上の中・長期にわたる勤務を希望
日本企業への就職を希望する外国人留学生の勤務希望年数は、「5年程度」、「10年程度」、「11年以上(長期)」と回答した学生が合計39.9%にのぼった。一般的に、留学生の離職率は高いといわれているが、この結果から日本企業に中長期間勤続しようとする留学生の比率が非常に高いことがわかる。
就職先選択の際、もっとも重視するのは「将来性」
就職先企業を選ぶ際に重視する点で、もっとも多かった回答は「将来性がある」ことで、約20%の留学生が選択。逆に「規模が大きい企業である」「知名度が高い」など企業の大きさや安定性に関する項目を選択したのは2%以下、順位も10位以下にとどまっており、日本人大学生の就職活動における大手志向や安定志向とは対照的な結果となった。
一方で、仕事の内容に関しては、「希望通りの職種につける」という回答が上位にランクインしておらず、仕事内容そのものに対する興味はそれほど強くないと考えられる。
日本で希望する理由として最多だったのは、「日本企業で経験を積みたいから」という回答だった。就職を希望する業界の1位は電気機器、2位は情報通信、3位は小売業という結果となった。
もっとも不安に感じているのは「語学力」
日本で就職する際の不安事項については、最多回答が語学力に関する不安で、次が職場の人間関係への不安となった。こうした結果から留学生が職場でのコミュニケーションに不安を抱いていることがわかる。
就職活動を行う際の不安は、「就職活動をどのように進めたらいいかわからない」という回答がもっとも多く寄せられた。日本独特の複雑な就職活動のシステムに留学生が不安を覚えていることがうかがえる。
調査の結果、多くの留学生が日本企業で就職した後、5年以上の長期にわたって仕事に従事したいと考えており、短期的にジョブホッピングを繰り返す従来のイメージとは異なることや、仕事に対する高い意識を持っている実態が明らかとなった。
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