イー・アクセスは6日、同社が展開するイー・モバイルブランドの新製品として、モバイル無線LANルーター「Pocket WiFi LTE(GL04P)」、Android搭載タブレット「GT01」の2機種を発表した。すでに発表済みのAndroidスマートフォン「GS03」とあわせて、同社の夏モデルは3機種となる。なお、GL04Pは「世界初」(阿部基成副社長)というLTE規格の「カテゴリー4(UE Category 4)」に対応し、将来的に下り最大150Mbpsまで高速化できる。
GL04P(Huawei製)は、同社のLTEサービス「EMOBILE LTE」に対応したPocket WiFi LTEの新製品で、3,000mAhの大容量バッテリを搭載したことにより、LTE通信時で約9時間の連続通信が可能。USB経由での通信にも対応するほか、最大10台までの無線LAN機器を同時接続できる。
寸法・重量は102(W)×66(H)×14.5(D)mm・約140gで、従来製品と同等の名刺入れサイズを実現。1,800MHz帯のLTE、1,700MHz/2,100MHz帯のDC-HSDPA(EMOBILE G4)、W-CDMAでの通信に対応する。LTEの一部エリアでは下り最大75Mbps、上り最大25Mbps、通常エリアでは同37.5Mbps、12.5Mbpsでの通信となる。
無線LAN側はIEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯)をサポートし、最大300Mbpsの通信速度が可能になっている。microSD/SDHC(最大32GB)も利用可能だ。発売は7月の予定。
GL04Pは、下り最大150MbpsのLTE規格のカテゴリー4をサポートするが、同社の基地局を含めたネットワーク側はカテゴリー4に対応していない。カテゴリー4の最大速度を実現するには20MHz幅の周波数帯域が必要だが、まだ15MHz幅しか割り当てられていないためで、今後、追加の割り当てがあった場合に、ネットワーク側の対応を図る意向。GL04P側のアップデートは必要なく、ネットワーク側が対応すると、そのまま最大150Mbpsの通信が利用可能になる。
同社のエリック・ガン社長は、「端末購入は2年縛りが多い」と話し、GL04P購入者の2年契約が終わる前に割り当てが行われ、ネットワークの対応によってカテゴリー4の利用を可能にしたい考えだ。阿部副社長によれば、割り当てされた場合、ネットワーク側の対応はすぐに行えるため、既存のLTEエリアを早期にカテゴリー4対応にできるという。新規の周波数割り当てまでは利用できないため、同社も販売店の店頭などでは150Mbpsの通信速度は特に記載せず、アピールはしないそうだ。
タブレット端末のGT01は、OSにAndroid 4.0(Ice Cream Sandwich)、CPUにARM Cortex A9を採用したクアッドコアの「K3V2」を搭載。駆動周波数は1.5GHzで、16コアのGPUも内蔵し、高いパフォーマンスを実現。ディスプレイは10.1インチWUXGA(1,920×1,200ドット)のIPS液晶で、高精細な表示に加え、3Dゲームも滑らかに表示できるという。「タブレットでは日本で一番売れている製品」(阿部副社長)とベンチマーク比較をすると、CPUは3倍、GPUは1.5倍の性能を実現しているそうだ。
具体的なスペックは明らかにされていないが、重量約589gと軽量。5.1chサラウンドの出力が可能なDolby Mobile 3.0 Plus、HDMI端子によるテレビへの出力といった機能も搭載する。
阿部副社長は、GL04PとGT01の組み合わせが「最強のコンビでベストマッチする」とアピール。無線LANのみで携帯モジュールを搭載しないGT01だが、10.1インチサイズのタブレットは自宅で利用したいというユーザーが多く、自宅内だけの利用では月額利用料金が必要な携帯回線のニーズは薄いと阿部副社長は説明。外出時など必要に応じて、GL04Pと組み合わせて使用するといった例を紹介した。GT01は8月の発売で、現時点で価格帯は明らかになっていないが、「既存の大手のタブレットに対して、上回る価格にはならない」とのことだ。
イー・アクセスでは、今年3月からLTEサービスを開始し、順調に利用者を拡大してきた。量販店の販売実績ではデータ通信・モバイル無線LANルーターのジャンルとして12週連続で売り上げ1位、同ジャンルでの量販店の販売シェアはサービス開始前の36.9%から42.8%まで拡大した、という。同社の千本倖生会長も、ユーザー数の伸びは「予想以上」という。
阿部副社長は、下り速度が最大で75Mbpsという通信速度、6月末には東名阪主要都市でのカバーエリア99%というエリアの広さ、そして「圧倒的な強み」(同)である月額3,880円という料金が支持された、としており、今年度中には全国政令指定都市、県庁所在地の99%をエリア化する計画だ。
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