NKSJグループのリスクコンサルティング会社のNKSJリスクマネジメントは28日、物流・ロジスティックスの総合シンクタンクである日通総合研究所とバリューチェーンCO2排出量算定に関する業務提携を行い、6月1日より「バリューチェーンCO2排出量算定支援コンサルティング」の提供を開始すると発表した。

バリューチェーンとは、企業等が製品、サービスの形で価値を提供する一連の活動や関係者全体のこと。自社の他に、供給業者(サプライヤー)、顧客、消費者、取引先など、企業の事業活動に関わる全ての活動および関係者が含まれる。

近年、企業などの温暖化対策への取り組みは、自社単位から、関連企業、サプライヤー、顧客および消費者などを含めた「バリューチェーン全体」へと対象範囲が拡大している。こうしたなか、2011年に国際的なガイドライン「GHGプロトコル スコープ3基準」が公表された。日本でも3月に環境省と経済産業省から「サプライチェーン全体を通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」が公表され、バリューチェーン全体のCO2排出量の算定・公表に対する企業の関心が急速に高まっている。

企業はバリューチェーン全体のCO2排出量を算定・公表することにより、事業活動全体の中で効果的に環境負荷を削減できるプロセスの発見、精算活動の効率化、エネルギーコスト削減および投資家や外部からの高評価の獲得などが可能となる。しかしバリューチェーン全体のCO2排出量の算定は、バリューチェーンが複雑で広範囲な企業にとっては算定作業の負荷・コストが大きくなるため、効率的な算定を行うための知見が必要となる。

そこで今回、東京都「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」の登録検証機関として、CO2排出量算定の検証業務を行うNKSJ-RMでは、物流のバリューチェーン分析・最適化について知見を有する日通総研と業務提携を行い、「バリューチェーンCO2排出量算定支援コンサルティング」の提供を開始することにした。

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