パルシステムは29日、農業およびその周辺産業に関わる仕事や職業に興味がある学生を対象に実施した「農業に興味がある学生の実態調査」の結果を発表した。同調査は、5月1日~6日の期間にインターネット上で行われ、12歳~22歳の学生1,000名から有効回答を得た。

同調査で、農業に関わる仕事へ就職したいと思うかと質問したところ、「就職したい」(「就職したい」5.7%と「どちらかといえば就職したい」25.2%の合計)が25.9%。それに対して、「就職したくない」(「就職したくない」7.5%と「どちらかといえば就職したくない」の17.7%の合計)は25.2%、「どちらともいえない」は48.9%だった。

就農意向のある259名にその理由を聞いてみると、最も多かったのは「自然が好きだから」で59.5%。以下、「田舎で暮らしたいから」が31.7%、「美味しいものを消費者に届けたいから」が28.6%と続いた。

男女別で見ると、「自然が好きだから」は女性64.7%、男性51.5%、「田舎で暮らしたいから」は女性39.1%、男性20.4%と、女性の方が10ポイント以上多い。一方、「自分で事業を始めたいから」は男性18.4%、女性6.4%と、こちらは男性の方が10ポイント以上高い結果となった。

反対に、農業や周辺産業への就職について、「どちらともいえない」「どちらかといえば就職したくない」「就職したくない」と答えた741名に、どのような環境や支援があれば農業に関わる仕事への就職を検討するか尋ねてみると、「安定した収入が見込めれば」が56.0%、「高収入が見込めれば」が33.6%と、収入に関する内容が上位を占めた。

どのような環境や支援があれば農業に関わる仕事への就職を検討するか

全回答者に対し、農業や農作物について「日本が世界一優れている」と思うものを質問したところ、「食の安全(安全基準)」が最多で54.5%。以下、「味」が51.6%、「国産品のブランド力」が39.3%、「品質管理(色・サイズなどの規格)」が32.7%、「農業技術」が30.1%と続いた。逆に最も少ないのは「経営力(利益の上がるビジネスモデル)」で4.5%だった。

日本の農業の将来について、不安に感じることとしては、「後継者問題(人手不足)」が最も多く67.5%。次いで、「食糧自給力の低下」が62.2%、「原発事故による風評被害」が53.2%、「放射性物質の影響」が47.2%となった。また、「TPPへの参加」については半数近い47.0%が不安に感じていることが明らかになった。

農作物の輸出(海外進出)に「興味・関心がある(計)」は46.5%、アグリベンチャー(ITを活用した農業、経営の効率化など)に「興味・関心がある(計)」は45.0%。特に就農意向のある学生では、「興味・関心がある(計)」が、農産物の輸出(同)で63.0%、アグリベンチャー(同)で61.8%と、高い数字となった。

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